日本版DBS こども食堂も対象案

日本版DBS こども食堂も対象案

2025/06/30 (月曜日)

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こども食堂も「日本版DBS」対象に 要件満たせば、年内に指針

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日本版DBSに「こども食堂」も対象案──子どもと接する事業者への性犯罪歴確認制度の拡大と課題

背景:日本版DBS制度創設の経緯

2024年6月に成立した「こども性暴力防止法」に基づき、子どもと接する事業者等に対し性犯罪歴の確認を義務づける「日本版DBS(Disclosure and Barring Service)」制度が創設されることとなった。施行は2026年12月25日とされ、学校や認可保育所のほか、認可外保育や学童クラブなど幅広い施設・事業者が対象となる。目的は、性犯罪歴のある者を子どもと接する現場から排除し、児童の安全を確保することにある(出典:毎日新聞):contentReference[oaicite:0]{index=0}。

日本版DBSの制度概要

  • 対象業務:教員・保育士のほか、送迎バス運転手や実習生など、子どもに継続的に接する者
  • 認定要件:①子どもに何かを教える、②6カ月以上の継続事業で子どもが複数回参加、③子どもの自宅以外の場所での活動、④担当するスタッフが3人以上、などを満たす
  • 義務化対象:認可外保育所、一時預かり、放課後児童クラブ等(認可施設は初期段階では任意)
  • 認定マーク:国の認定を受けた事業者のみが表示でき、安全性を対外的に示せる
  • 運用体制:子ども家庭庁と内閣府が制度運用のガイドライン策定、認定・監査を担当

「こども食堂」対象化の狙いと要件

6月30日の検討会議では、「こども食堂」や芸能事務所も認定要件を満たせば対象に含む案が示された。具体的には、こども食堂が以下の要件をすべて満たす場合に任意認定を申請できる:

  1. 事業期間が6カ月以上継続している
  2. 一人の子どもが複数回(年数回以上)利用している
  3. こども食堂の拠点が子どもの自宅以外にある
  4. 運営スタッフまたはボランティアが3人以上組織化されている

認定を受ければ、性犯罪歴確認を義務化されると同時に「安全性の高い居場所」として国のロゴを掲示でき、利用者や保護者への安心感向上が期待される。ただし、認定は任意であり、希望しないこども食堂は対象外となる(出典:朝日新聞):contentReference[oaicite:1]{index=1}。

他国制度との比較

英国のDBS制度は1997年創設以来、児童・成人福祉分野に従事する者の前科照会を行い、禁止登録(barring)された者は子ども・高齢者施設での業務が一切禁止される。英国ではほぼ全ての教育・福祉関係事業が義務対象であり、営利・非営利を問わず広く運用されているのが特徴だ。日本版はまず国の認定を受けた事業者が対象の任意運用からスタートするため、カバー範囲と強制力で英国版に及ばない面がある。

制度拡大に伴う懸念と課題

  • 事業者側の負担増加:小規模・ボランティア主体のこども食堂などは、認定申請手続きやスタッフ全員の前科照会コストが重荷となり得る。
  • 人手不足と運営継続性:認定要件を満たすスタッフ数の確保が困難な場合、事業継続自体が危ぶまれる恐れがある。
  • 情報管理とプライバシー:性犯罪歴情報の適正管理や、不当な流用を防ぐための厳格な運用ルール整備が不可欠。
  • 監督体制の透明性:国・自治体の認定・監査プロセスが不明瞭では、認定マークの信頼性が低下する。
  • 子どもの居場所減少リスク:安全性担保と運営継続が両立できない事業者が増えると、本来守るべき「居場所」が減少しかねない。

今後の展望と運用上の提言

  1. 認定手続きの簡素化:オンライン申請や自治体窓口のワンストップ化による負担軽減。
  2. 財政支援の拡充:こども食堂等の非営利団体向けに、前科照会費用補助や運営助成金を設ける。
  3. 人材育成と研修:認定事業者向けに研修プログラムを提供し、情報管理や子ども対応力を強化。
  4. 第三者評価の導入:非営利団体の評価機関を設置し、ガイドライン遵守状況を公表する。
  5. 段階的義務化の検討:任意認定の運用状況を踏まえ、将来的に一定規模以上のこども食堂を義務対象に移行する。

まとめ

「こども食堂」の任意認定対象化は、子ども版DBS制度の網を広げ、ボランティア主体の居場所にも安全基準を及ぼす意義深い一歩となる。しかし同時に、申請手続きや運営負担、情報管理体制整備など非営利事業者に重い負荷を課す面も否めません。制度の趣旨を徹底しつつ、こども食堂や学習支援団体が活動継続できるよう、申請負担軽減や費用補助、研修支援など周辺支援策の拡充が急務です。将来的には、制度の定着度を確認しつつ、ガイドライン遵守を前提に義務対象を段階的に拡大することが望まれます。国・自治体・支援団体が協力し、子どもたちの安全・安心な居場所確保と運営継続性の両立を実現することが、日本版DBS成功の鍵となるでしょう。

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