独身と偽り交際 被害者の訴え
2025/06/10 (火曜日)
『独身偽装』被害者の怒りとは?妊娠&婚約後に既婚者と知り…「頭が真っ白に」「裁判で勝ってもお金取れない」
婚活アプリや出会い系サービスで出会った相手が実は既婚者で、「独身偽装」による被害が相次いでいます。その中には、妊娠した後で初めて相手が既婚者だと知り、婚約まで進んでいたケースもあり、被害者は「頭が真っ白になった」と語ります。裁判で勝訴しても、相手が支払い能力を持たなければ賠償金を回収できず、「泣き寝入り」に追い込まれる例が少なくありません。本稿では、独身偽装の実態、被害の背景と法的課題、過去の類似事例、被害者の心理的影響、裁判手続きと損害賠償の現実、そして予防策と支援制度について詳しく解説します。
独身偽装は、既婚男性が配偶者や家族に悟られないように、婚活サイト・SNS・マッチングアプリなどで「独身」「再婚希望」「子どもなし」と偽りのプロフィールを作成し、女性を騙して交際・婚約に至る手口です。結婚生活で得られない刺激や、自由な遊び相手を求めて二重生活を送るケースが多く、オンライン匿名性を悪用する点が特徴です。
被害者は相手の家族に事情を打ち明けられず、受けた心の傷は長期にわたり続きます。多額の婚約費用や妊娠・出産費用を負担した上、慰謝料・養育費の請求で相手が応じない場合が多く、「裁判で勝ってもお金を取れない」といった深刻な実態が浮き彫りになります。
2010年代から報じられた独身偽装事件では、マッチングアプリの普及とともに被害件数が増加。2018年には既婚男性数名が一斉に摘発され、被害女性が共同で損害賠償訴訟を起こす事例もありました。SNSで被害を告発する「#独身偽装被害」タグが拡散し、裁判傍聴を呼びかける動きも見られましたが、証拠不足や加害者の資力問題で支援が十分に行き届いていない実情があります。
民法では「不法行為に基づく損害賠償請求」(民法709条)や「契約不履行に伴う解除・損害賠償」(同415条)が適用されます。既婚であることを隠して結婚を前提とする交際契約を締結させた場合、精神的苦痛に対する慰謝料請求が可能です。
しかし訴訟では、以下の課題があります。
被害者は「自己肯定感の喪失」「人間不信」「トラウマ的記憶」など深刻な心の傷を負います。専門家は、カウンセリングや認知行動療法を通じた心的ケア、同様の被害者同士によるピアサポートの重要性を指摘。行政やNPOによるワンストップ支援窓口設置が求められています。
また、自治体では行政相談窓口での無料相談会や、消費者センターによる注意喚起パンフレット配布が行われています。
被害者救済を強化するための制度として、以下が検討されています。
「独身偽装」はインターネット時代の新たな詐欺手口であり、被害は金銭的な損失だけでなく、心の深い傷を伴います。被害者が泣き寝入りしないためには、法的支援体制の整備、民間プラットフォーム運営の適正化、行政・NPOによる支援窓口の充実が不可欠です。同時に、個人としては相手の身元を冷静に確認する姿勢を持ち、予防策を徹底することが大切です。被害を未然に防ぎ、被害者が再起できる社会的な仕組みの構築を急ぎましょう。
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