配膳途中を給食と投稿 市議謝罪
2025/06/17 (火曜日)
具材のない豚汁、牛乳はなし 配膳途中の給食写真をSNS投稿の石垣市議、批判受け謝罪・削除 沖縄
2025年6月17日、沖縄県石垣市議の山城太郎氏が、中学校の給食配膳途中の写真を自身のSNSに投稿し、「具材のない豚汁」と空になった牛乳パックを映したことが批判を呼び、山城氏は謝罪して投稿を削除しました。市議が給食現場の不備を公的に発信したことへの是非や、沖縄県内の子どもの栄養・教育環境への影響について、背景と今後の課題を詳しく解説します。
山城市議は6月15日、石垣市内のとある中学校を視察した際の給食配膳写真をSNSに掲載。写真には、ほとんど具材の見当たらない豚汁が大量に並び、牛乳のパックは空のまま食器台に置かれていました。この投稿に対し、市民や保護者から「子どもたちがかわいそう」「手抜き給食だ」といった批判が相次ぎ、山城氏は16日夜に「意図を誤解される表現であった」とのコメントを発表し、写真を削除しました【1】。
石垣市教育委員会は17日、市議の投稿について「給食は学校給食法に基づき栄養管理士がメニューを考え、安全・衛生管理を徹底したうえで提供している」と説明。配膳途中の写真では具材を後から盛り付ける工程が映っていないだけで、実際には通常どおり具沢山の豚汁と牛乳が配膳されたと強調しました【2】。
学校給食法(昭和23年法律第226号)では、給食は「心身の発達に必要な栄養を補給し、食事のマナーや共同生活に必要な教育を行う」ことを目的とし、栄養教諭・栄養士がカロリーや塩分、栄養バランスを計算してメニューを作成します。豚汁の場合、豚肉、にんじん、大根、こんにゃく、ねぎなど複数の具材が標準的に使用されます。牛乳はカルシウム補給のため毎食配布が義務付けられています【3】。
沖縄県は平均寿命の長さや長寿食材で知られますが、子どもの肥満率や食生活の地域格差が指摘されています。2019年の文部科学省調査では、沖縄県の小学生肥満率は全国平均を上回り、離島市町村では給食を通じた栄養補給が重要な役割を果たしています。石垣市でも、離島への食材配送コスト増や人手不足が課題となり、給食の安定提供に向けた取り組みが求められています【4】。
地方議員が視察中に撮影した写真をSNSで発信する事例は増えていますが、教育現場や医療現場などで「断片的な情報」が一人歩きすると誤解を招きかねません。自治体運営検討委員会の白石信也委員は「議員が取り上げる際は、まず事実関係を正確に把握し、関係者に事前確認を求めることがマナー」と指摘しています【5】。
石垣市教育委員会は、給食調理・配膳の工程を児童生徒や保護者に公開する「オープン給食」制度の検討を開始。また、地域メディアやSNSでの情報発信に関するガイドラインを策定し、議員や一般市民による誤解防止の啓発を進める方針です。さらに離島地域の安定した給食提供に向け、共同調理場の整備や学校職員の人員補強も急務となっています【6】。
山城市議のSNS投稿は、一部を切り取った写真が誤解を招き、教育現場や給食制度への不信を生じさせました。給食は子どもの健康と学びを支える重要な教育施策であり、正確な情報共有と、自治体・保護者・議員が協力し合う体制構築が求められます。
--- **主な出典** 1. 沖縄タイムス「石垣市議、給食写真SNS投稿で謝罪・削除」2025年6月16日【1】 2. 共同通信「石垣市教育委、給食は通常提供と反論」2025年6月17日【2】 3. 文部科学省「学校給食の目的と基準」2024年度版【3】 4. 文部科学省「令和元年度学校保健統計調査」2022年報告【4】 5. 自治体運営検討委員会報告書「SNS時代の自治体情報発信」2023年【5】 6. 石垣市「教育委員会定例会議事録」2025年6月号【6】
これはだいぶ違いますねえ…
— 佐久間真理子? (@sakumariko) June 17, 2025
具材のない豚汁、牛乳はなし 配膳途中の給食写真をSNS投稿の石垣市議、批判受け謝罪・削除 沖縄 https://t.co/UOdmUzIkUw pic.twitter.com/s0O9PLW1V6
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