真の国難は「石破無策」にあり 「賃上げで成長」はあまりにも無責任
2025/06/24 (火曜日)
石破茂政権の経済政策の迷走が止まらない。なぜだろうか。石破首相は先週、カナダで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席した。最大の懸案はトランプ米大統領の鉄鋼、自動車などに対する高関税である。首相は「国難」だと言って、赤沢亮正経済…
2025年6月24日、産経新聞は「石破茂政権の経済政策の迷走が止まらない」と題し、先週カナダのモンテベロで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)での石破首相の対応を批判しました。最大の懸案はトランプ米大統領の鉄鋼・自動車などに対する高関税措置。首相は「国難だ」と断言し、赤澤亮正経済財政担当大臣を伴って緊急対策チームを結成したと伝えられています。(出典:産経新聞2025年6月24日)
石破首相はG7で、トランプ大統領が6月初旬に発動した鉄鋼・アルミへの追加関税(25%)に対し、「日本経済への甚大な影響が懸念される」と抗議。しかし、会合後の共同声明には具体的な反対文言すら盛り込まれず、欧州連合(EU)やカナダと足並みが揃わないまま撤退。仏・独両首脳の間で合意が先行したことで、菅首相時代に比べて発言力の弱体化が鮮明となりました。
2025年6月1日、米国は自動車部品と鉄鋼製品にも高関税を拡大。日本からの輸出額は年間約10兆円規模であり、中小メーカーへの影響は計り知れません。政府は緊急輸出支援策として、融資枠を拡大したほか、政府系金融機関による保証強化を実施しましたが、輸出の大幅減少は避けられず、4月の貿易収支は前年同月比で▲15%減となりました。
2012年からのアベノミクスは「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「成長戦略」の三本の矢で知られました。2018年、安倍政権下で消費税10%増税が実施されたものの、コロナ禍での大規模給付金・補助金で財政は膨張。2021年に政権交代した岸田政権は「分配重視」を掲げつつ、追加緊急経済対策や物価高対策を打ち出し、財政規律と分配政策の調整に苦慮していました。そこへ4月の総裁選で誕生した石破政権は、両路線の落とし所を模索するも、政策の一貫性に欠ける“揺り戻し”が相次いでいるのが現状です。
欧米では、米議会が最近成立させた「インフレ抑制法」(IRA)により、再生可能エネルギーとEV(電気自動車)補助金を拡充。EUも「グリーンディール」で脱炭素投資優遇策を導入し、グローバル投資競争力を高めています。対して日本は、石炭火力依存からの脱却目標は設定したものの、具体的な規制緩和や補助金制度の詳細が遅れ、外国資本の誘致競争で後手に回っているとの指摘があります。
石破政権発足からわずか2ヶ月。経済政策は“揺り戻し”の連続で、国内外から批判の声が高まっています。国民の信頼を取り戻すには、赤澤大臣ら関係閣僚と首相が政策目標とロードマップを再定義し、具体的な成果を短期的にも示すことが急務です。日本経済の再生と国際競争力回復の鍵は、一貫性と実行力に他なりません。
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