「孤立化する子供をサポート」 こども食堂開設の備品購入費支援、奈良県
2025/06/28 (土曜日)
国内ニュース
県によると、県内ではこども食堂は平成28年度末は12市町の19カ所だったが、今年5月末は28市町村の178カ所に増加。県内の全小学校区に対する設置率は、平成28年度末の8・5%(201小学校区中17校区)から、今年5月末には56・7%(187校区中106校区)まで増えた。県は子供にとって身近な居場所となるこども食堂をさらに増やすため開設を支援することにした。
補助の対象は、概ね2カ月に1回以上続
県の調査によると、県内のこども食堂は平成28年度末(2017年3月)時点で12市町に19か所だったものが、2025年5月末には28市町村で178か所にまで急増した。全小学校区(187校区)に対する設置率は当初8.5%(17校区中)から56.7%へ拡大し、「子どもにとって身近な居場所」としての役割が定着しつつある(出典:産経新聞2025年6月28日)。
こども食堂は低価格または無償で子どもに食事を提供し、地域の大人が見守りと交流の場を提供するボランティア活動として2012年ごろに全国で始まった。直近の調査では、全国に7,363か所が存在し、全国の小学校区に対する設置率は約25.9%に達している(出典:むすびえ資料):contentReference[oaicite:0]{index=0}。
県は2025年度から、原則2か月に1回以上開設するこども食堂に対し、運営費・設備費の一部を補助する新制度を開始。運営主体はNPOや社協、市民グループなどを想定し、ボランティア人件費・食材費・広報費などが対象となっている。
東京都では令和2年8月時点で683か所が稼働し、設置率51.3%を達成(PDF:都内調査):contentReference[oaicite:1]{index=1}。神奈川県では令和6年度に594か所を調査、預かりなしの休止中も含めると約700か所に上る(神奈川県調査):contentReference[oaicite:2]{index=2}。多くの都市部が「半数超の設置率」を実現しており、本県の56.7%は全国主要県と肩を並べる水準と言える。
こども食堂は当初、子育て世帯の貧困対策から始まったが、現在は地域コミュニティ再生や子どもの居場所づくり、孤食防止、世代間交流の場としての意義が広く認知されるようになった。コロナ禍で子どもの放課後・休日の居場所が減少したことも追い風となり、全国で急速に拡大した。
県のこども食堂設置率56.7%の達成は、地域の学びと食をつなぐ「居場所」の拡充が着実に進んでいる証左である。全国平均を大きく上回る急速な増加は、行政による補助制度の整備と現場ボランティアの尽力が相乗効果を生んだ結果だ。しかし一方で、運営主体の人材確保、安定的財源の確保、食の安全・栄養、子ども支援の質担保など、次のステージに向けた課題も山積している。今後は、地域全体で「子どものための居場所づくり」を一層深化させるとともに、学童保育や放課後クラブと連携した一貫支援モデルを構築し、すべての小学校区で100%設置を目指す取組みが求められるだろう。
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