ネットカジノ相談急増 若年層多数
2025/06/10 (火曜日)
国内ニュース
「オンラインカジノ」借金2倍に 相談急増、若年層が多数占める
近年、インターネットを通じて手軽に楽しめるオンラインカジノに熱中し、短期間で借金が2倍以上に膨らむケースが相次いでいます。公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」が依存症当事者と家族を対象に実施したアンケートでは、タレントやプロ野球選手の書類送検報道を契機に相談件数が急増し、とくに若年層の被害が顕著であることが浮かび上がりました。本稿では、オンラインカジノ依存の実態、依存症のメカニズム、法規制の現状と課題、類似事例との比較、支援体制と治療法、そして事前防止策や家族の対応方法までを包括的に解説します。
オンラインカジノは24時間いつでもスマホやPCでアクセスでき、入出金もクレジットカードや電子マネーを経由して瞬時に行える利便性が魅力です。会のアンケートでは、依存傾向が強い回答者のうち約7割が「1日に1万円以上を賭ける」と答え、そのうち3割は「借金を繰り返してさらに増やした」と回答。最終的に借金が当初の2倍から5倍以上に達したケースも少なくありません。
若年層の相談が多い背景には、
ギャンブルには、勝ち負けのスリルや興奮を求める報酬系の刺激が脳内でドーパミンを大量に放出させ、快感を生み出す仕組みがあります。オンラインカジノはこの報酬を高速で連続的に与えるため、
日本では「賭博行為」は刑法で禁止されており、例外的にパチンコや競馬など公営・特定業として認可されていますが、海外サイトのオンラインカジノ利用はグレーゾーンに留まっています。利用者が自己責任で楽しむ分には摘発が難しい現状です。
政府は2023年に「犯罪収益移転防止法」の改正でオンラインカジノ業者に対する登録制を導入し、国内送金業者への規制を強化しました。しかし、暗号資産(仮想通貨)を経由する方法が一般化し、マネーロンダリングのリスクや国外業者規制の抜け穴が依然として残ります。
かつてスロットやパチンコで借金苦に陥る「パチンコ依存症」が社会問題となった際、行政と業界が協力して連続遊技防止装置の義務付け、遊技時間制限の導入、相談窓口設置などを進めました。オンラインカジノ依存も同様の対策が必要ですが、プラットフォームが海外にあるため業界団体による自主規制が機能しにくく、法的整備の難しさが課題です。
ギャンブル依存症の治療には、
オンラインカジノへの過度な接触を防ぐには、
オンラインカジノ依存問題に対応するため、
オンラインカジノ依存は、若年層を中心に急速に広がる新たな公衆衛生課題です。借金が膨らむリスク、脳の報酬系への作用、現行法規制の限界といった多面的要素を総合的に理解し、早期支援・治療と事前予防の両輪で取り組むことが求められます。依存症問題を考える会や行政窓口、医療機関を活用し、依存の連鎖を断ち切るための社会的な連携が、これからの健全なデジタル時代のキーワードとなるでしょう。
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