不信任案可決リスク 揺れる与野党

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2025/06/10 (火曜日)

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自公「所得制限なし」現金給付案 不信任案の立憲判断は?「可決リスク」揺れる与野党

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速報:自公「所得制限なし」現金給付案の概要

2025年6月9日、自民・公明両党は参院選の公約第3弾として、全ての国民を対象に所得制限を設けず一律○万円を給付する現金給付案を提示しました。対象は18歳以上、給付額や実施時期は調整中ですが、「申請不要」「銀行口座への自動振込」を軸に、迅速な給付を目指すとしています。同日、立憲民主党は与党に対し不信任案を提出するかどうかを検討すると表明し、与野党の攻防が激化しています。

現金給付の歴史的背景

日本での一律現金給付は、1999年の「年金一時金」支給、2009年のリーマン・ショック対策としての定額給付金(1万2000円)、2020年の新型コロナ対応「一律10万円給付」などが先例です。これらはいずれも国民の消費喚起や生活支援を目的に実施されましたが、給付規模や対象範囲、実施スピード、財源の議論を巡り論争が続いてきました。特にコロナ給付では「迅速さ」「公平性」「マイナンバー連携」の成果と課題が浮き彫りになり、次の一律給付論議に大きな影響を与えています。

所得制限なし案のポイントと財源論

今回の与党案では、所得制限を設けず全員に給付することで手続きの簡素化と迅速な支給を狙います。一方で、対象を20歳以上とする案や、扶養家族数に応じた加算を検討する声も上がっています。問題は財源です。概算要求ベースで1兆円台後半~2兆円規模と試算され、一般財源(消費税収や国債発行)で賄う案が中心ですが、財務省内には「社会保障費や防衛費の増加により財政余力は乏しい」と慎重論が根強くあります。

自民・公明両党の調整過程

自民党内では「一律給付は選挙向けの目玉になる」「若年層の消費を喚起し景気対策にもなる」との賛成派が多いものの、「高所得者にも配るのは不公平」「給付後の増税の口実に使われかねない」との慎重派もいます。公明党は生活困窮層への重点支援を重視しており、全員給付には条件付給付(低所得層は倍額など)を併用する案を打ち出しました。両党は6月12日の合同会議で最終決定を図る予定です。

立憲民主党の不信任案検討と与野党攻防

立憲民主党は同日午後、「内閣不信任案」の提出を含めた対応を協議すると発表。「給付規模や財源を示さずに選挙目当てのばらまき政策は許さない」「国民生活を真に支える政策論議を求める」と強く批判しています。他の野党も一律給付そのものには賛同姿勢を示しつつ、「消費税率引き下げとのセット」「子育て・高齢者支援策の拡充」といった具体方案を求め、現金給付案を軸に与野党の論戦が本格化しています。

世論の動向と課題

最新の世論調査では、一律給付の賛否が50対45と拮抗し、所得制限の有無や給付額を含む詳細条件によって賛否が大きく分かれる結果となっています。特に高齢者層では慎重意見、若年層や子育て世帯では賛成意見が強い傾向がみられます。課題は「公平感」と「迅速性」のバランス、そして「給付後の財政再建方針をどう示すか」にあります。

海外の現金給付事例との比較

  • アメリカ(コロナ対策):所得制限あり・最大1400ドル給付。段階的給付で合理性重視。
  • 韓国(緊急経済支援):全世帯一律100万ウォン支給。地方税と連動し給付手続きを簡素化。
  • 台湾(新型肺炎支援):現金給付+クーポン支給で消費喚起策を併用。

これらの例では所得制限の有無や給付後の消費喚起策との組み合わせが多様で、日本の与野党はそれぞれのモデルを参考に調整を進めています。

今後の展望とポイント

今後、次のポイントが焦点となります。

  1. 財源確保策の明示:税収の範囲か、国債発行か、歳出再配分か。
  2. 給付スケジュールと手続き:給付時期、対象要件、申請手続きの簡易化。
  3. 給付対象の絞り込み:所得制限なしの全員給付か、条件付給付か。
  4. 景気対策との連携:給付後の消費促進策(ポイント還元や地域振興券)。
  5. 財政再建計画:給付後の中長期の財政健全化方針提示。

まとめ

自公「所得制限なし」一律現金給付案は、参院選の争点となるだけでなく、日本の財政・社会保障制度のあり方を問う政策論争の核心です。不信任案検討に揺れる与野党の論戦が、どこまで国民の生活実態や財政持続性を反映した具体策を示せるかが、今後の政治の信頼性を左右する重要な局面となるでしょう。

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