低所得者層に給付上乗せも 公明

低所得者層に給付上乗せも 公明

2025/06/13 (金曜日)

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公明党の斉藤鉄夫代表は13日、参院選公約に明記した物価高対策としての給付を巡り「低所得者層への給付を上乗せすることも一つのアイデアとして排除しない」と述べた。給付額に関しては「物価高に賃金上昇が追い

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速報:給付策で低所得層上乗せも排除せず

2025年6月13日、公明党の斉藤鉄夫代表は参院選の公約に掲げた物価高対策としての現金給付について、「低所得者層への給付を上乗せすることも一つのアイデアとして排除しない」と述べ、給付の対象・額の柔軟な見直しを示唆しました。斉藤氏は「物価高に賃金上昇が追いついていない現状を踏まえ、生活困窮世帯を手厚く支援する必要がある」とも強調しています(出典:時事通信)。

公明党が掲げる給付策の全体像

公明党は2025年参院選公約で、ガソリン・電気・ガスなどの生活必需品価格高騰に対し、一律10,000円程度の現金給付を全世帯に行うことを提案しました。加えて、低所得者・子育て世帯には追加給付や家計支援を行う案も盛り込んでおり、「困っている人にこそ手厚く」という理念を打ち出しています。

背景:物価上昇と賃金停滞のギャップ

総務省の消費者物価指数(CPI)は2024年末時点で前年同月比+4.1%となり、高止まりが続いています。一方、厚生労働省の毎月勤労統計調査では実質賃金は長期にわたり低迷し、多くの世帯で「給付以上に家計が圧迫されている」との声が根強い状況です(出典:総務省・厚労省資料)。

過去の給付・減税の比較

  • 2020年コロナ特別定額給付金:一律10万円給付。全国民対象で迅速に実施されたが、高所得者も受給できたため「効果薄い」との批判も。
  • 2014年消費税増税対策:子育て世帯に教育・保育無償化などを実施。「選挙目当て」との批判もあったが、低所得層の負担軽減につながった。
  • 2011年東日本大震災復興支援:被災地限定の給付金や住宅再建支援を実施。対象を絞ることで効果を高めた例。

これらの先例を踏まえ、給付策は「普遍的給付(ユニバーサル)」と「選択的給付(ターゲット)」の組み合わせが最も効果的との専門家試算もあります。

低所得者上乗せ案の意義と課題

斉藤代表が示唆した「低所得者層への上乗せ」は、給付の再分配機能を強化し、生活困窮世帯への実効性を高めるものです。具体的には、住民税非課税世帯や子どものいる世帯に+5,000~1万円を加える案が検討されています。

ただし、対象を絞り込むことで事務負担・給付漏れリスクが高まるほか、給付開始時期が遅れる可能性も指摘されています。また、財源構築のための増税観測や公債発行の議論も必要である点が、与党内でも慎重論を招いています。

財源と制度設計の見通し

政府与党では、2025年度予算の執行済み歳出の組み替えや、税収増(法人税・所得税)の上振れ分、特定目的税の創設などで年2兆円程度の財源を捻出する試算が示されています。高齢者層向けの医療・年金給付見直しと合わせて、社会保障全体の再構築を図る動きも活発化しています。

他国の物価対策と比較

  • 英国:2022年、物価高騰に対し低所得世帯限定の水道・電気料金補助を実施。
  • フランス:ガソリン燃料税凍結と、低所得者向け月額補助を提供。
  • 米国:インフレ削減法で低・中所得者層に税額控除を拡大。

日本でも「生活必需品価格連動型給付」「エネルギー利用税減免」など多様な手法が検討されています。

今後の展望と留意点

  • 参院選後の与党調整:時期・対象・額の最終決定には党内合意が不可欠。
  • 給付手続きの簡素化:マイナンバーカード活用によるオンライン申請推進。
  • 効果検証の体制整備:給付後の家計・消費動向をモニタリングし、必要に応じ追加支援。
  • 中長期的財政健全化:一時的給付にとどまらず、賃金上昇・産業競争力強化策との連携。

まとめ

斉藤代表の「低所得者上乗せ容認発言」は、公平性と迅速性の両立を目指す新たな給付設計の可能性を示しています。物価高が続く中、選挙公約の実現に向け、与党内の調整や財源確保の議論が本格化します。最終的には、対象・額・実施時期を慎重に設計し、生活実態に即した効果的な支援策を実行することが求められます。

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