香港からの5月訪日客が1割減 「大地震」の風評が影響か その他の国・地域は過去最多
2025/06/18 (水曜日)
5月の香港からの訪日客は同11・2%減の19万3100人だった。他の国・地域はいずれも5月として最多を更新しており、落ち込みが目立った。風評は他のアジア地域でも流れているが、香港では風水を重んじる風習が根強く、旅行行動に影響を与えた可能性があるという。香港と日本の空港を結ぶ路線は減便が相次いでおり、関連性が指摘されている。
風評をめぐり、気象庁の野村竜一長官が13日の会見で「デマと考えられ、心配
日本政府観光局(JNTO)が発表した2025年5月の訪日外客数は、合計約369万人と史上最高を更新する中で、香港からの訪日客だけが前年同月比で11.2%減の19万3,100人でした。他の国・地域は5月として過去最多を記録しており、香港市場のしりすぼみが際立っています。
公式に公表されている4月の国・地域別訪日客数は以下の通りです(JNTO・速報値):
※Hong Kongは同月26万3,600人(+42.9%)で、唯一大きく回復していました(JNTO・速報値)。
5月中旬以降、SNS中心に「日本で大地震が起きる」といった根拠のないデマが拡散。気象庁長官も「デマと考えられ、心配には及ばない」と表明しましたが、香港では風水を重んじる文化が根強く、不安を過度に感じた旅行者が渡航を控えた可能性があります。
5月は香港-日本間で主要航空会社が相次ぎ減便を実施。羽田・成田路線は便数約20%減、関西路線も約15%減となり、減便と旅行意欲の低下が相互に影響しあったとみられます。
香港市場回復の鍵は、正確な防災情報の継続発信と航空路線ネットワークの安定化です。政府は気象庁・外務省と連携し、海外向けに安全安心のメッセージを強化するとともに、航空各社と調整のうえ減便の見直しを図る必要があります。また、長期的には体験型観光やMICE誘致による新たな需要喚起も検討すべきでしょう。
5月の香港からの訪日客数減少は、風評被害と減便という二重要因によります。日本側は正確な情報発信と航空路線回復支援を通じて、香港市場の信頼を取り戻し、再び堅調な訪日需要を喚起することが急務です。
参考:
日本政府観光局「2025年4月訪日外客数(速報)」
コメント:0 件
まだコメントはありません。