「世界のベスト・レストラン50」世界一にリマの「マイド」 オーナーシェフは大阪で修業

「世界のベスト・レストラン50」世界一にリマの「マイド」 オーナーシェフは大阪で修業

2025/06/21 (土曜日)

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国際 食べ物ニュース

美食の国として近年注目されるペルーで、日本料理とペルー料理を融合させたマイドは人気を集め、予約が取りにくい名店として知られる。

オーナーシェフのツムラ・ミツハルさんはリマ生まれの日系2世。米国留学後、日本料理を学ぶため大阪に渡った。すし店や居酒屋で修業を積み、リマの高級レストランで働いた後、2009年にマイドを開店した。

ペルーメディアによると、ツムラさんはトリノでの授賞式で「私たちの夢は賞を

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はじめに

2025年6月21日、ペルー・リマの名店「Maido」が、世界のレストラン界を席巻する日本料理とペルー料理の融合を体現するレストランとして注目を集めています。オーナーシェフのツムラ・ミツハル氏は日系2世としてリマに生まれ、米国留学後に大阪で和食の修業を重ね、2009年にMaidoを開業しました。本稿では、日系移民がもたらしたニッケイ料理の歴史的背景、ツムラ氏の経歴、Maidoの歩みと料理哲学、世界的な受賞歴、そして今後の展望までを掘り下げます。

1.ペルー美食文化の系譜

ペルー料理は先住民のアンデス文化を起源に、16世紀以降のスペイン植民地支配やアフリカ、アジアからの移民がもたらした食材・技法が融合して発展してきました。特に沿岸部では太平洋の豊富な魚介、内陸高地ではじゃがいもやキヌア、アマゾン流域では多様な果実・野菜が特色です。こうした多層的食文化の土壌が、外国からの技術や食材を積極的に取り込む下地となりました。(参考:Infobae 2025年6月20日)

2.日系移民とニッケイ料理の誕生

1899年から20世紀前半にかけてペルーに渡った日本人移民は、当初農業に従事しながら現地食材を和食の調理法で加工しました。戦後、日系二世・三世が本国日本で料理を学び帰国する「逆輸入」の潮流が生まれ、1980年代から2000年代にかけて「ニッケイ料理」と呼ばれるペルー発の和食融合が台頭。セビーチェ風のマリネや、薄切りの鮮魚に柑橘をかける「ティラディート」など、多彩なメニューが定着し、ペルー国内外で高い評価を得るようになりました。(参考:日本経済新聞 2018年8月)

3.シェフ・ツムラ・ミツハルのキャリア

ツムラ・ミツハル氏は1978年、リマ生まれの日系2世。幼少期から料理への関心が強く、米国の調理学校で基礎を習得後、大阪に渡り寿司店や居酒屋で計5年間修業を積みました。帰国後はリマの高級レストランで経験を重ね、33歳のときに自身の集大成として「Maido」を開業。料理人としての信念は「伝統に敬意を払いながら、新しい感動を提供すること」。この姿勢がMaidoの独自性を支えています。(出典:Sankei 2025年6月21日)

4.レストラン「Maido」の設立とコンセプト

「Maido」は、ニッケイ料理を代表するフルコースレストランとして、開店当初から予約が困難な人気を博しました。店名「Maido」は大阪弁の「毎度!」に由来し、日常の喜びを届ける意味が込められています。コースでは前菜にユズ香るタコのセビーチェ、メインに和風出汁で仕立てたロモ・サルタード、デザートには抹茶とカシュークリームを融合させるなど、五感を刺激する演出が随所に散りばめられています。(参考:LaRoma52 2021年6月16日)

5.世界的評価と受賞歴

2025年6月、イタリア・トリノで開催された「The World’s 50 Best Restaurants 2025」において、Maidoは栄えある世界1位に選出されました。ツムラ氏は授賞式後の記者会見で「この賞はペルーの食文化への信頼の証であり、さらなる責任を感じる」と語り、その言葉通り地域食材へのリスペクトと持続可能性を掲げています。(出典:Infobae 2025年6月20日)

6.代表料理と調理哲学

Maidoのコースには、アンデス産の高原トウモロコシを使ったニンニク風味のコーンチャウダー、アマゾン産の「クコナ」柑橘を効かせた鮮魚のマリネ、雪室熟成させたビーフのトリミングなど、食材の背景を料理で語るメニューが並びます。いずれも和食の「出汁」「発酵」「切り方」といった技法を土台に、ペルー独自の素材と風味を引き出す点が大きな特徴です。(参考:The World’s 50 Best Restaurants)

7.持続可能性と地域連携

Maidoは単なるレストラン運営に留まらず、アマゾンでの食材調査、地元生産者との契約栽培、廃棄物を活用したコンポスト生産など、サステナビリティを重視しています。また、店舗近隣の子ども食堂への食材提供や料理教室開催を通じ、地域コミュニティと連携。食の社会的価値を高める取り組みが国際的にも高く評価されています。(出典:50 Best Stories 2024年8月)

8.今後の展望と結び

ツムラ氏は「Awardを獲ることがゴールでなく、新たなスタート」と表明し、2030年を視野にAmazonian Research Center設立を計画中です。そこでは先住民の伝統食材を科学的に分析し、ニッケイ料理の新たな領域を開拓する意欲を示しています。今後もMaidoが持つ「感動を創出する料理」の精神は、ペルーのみならず世界の食文化に新風を吹き込み続けるでしょう。

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