「キリスト像の丘」の朝日、波瀾万丈の日系1世の人生 8都市を巡り微笑み絶やされず

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2025/06/17 (火曜日)

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国際 ブラジルニュース

「治安の悪さは異次元です」。現地時間12日夜、リオデジャネイロに到着した報道陣を待ち受けた総領事館の担当者は、送迎車の中でそう言った。

1960年にブラジリアへの遷都が行われるまでの138年間、ブラジルの首都だったリオデジャネイロ。2016年にはオリンピックも開催されるなど、いまなおブラジルの中心地の1つだ。

外国人観光客を狙った犯罪も多く、総領事館の担当者からの「注意事項」を聞くにつけ、戦々

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はじめに:治安の悪さは異次元です──リオデジャネイロ到着時の驚き

現地時間6月12日夜、日本の報道陣を乗せた送迎車の中で、総領事館担当者は一言こう告げた。「治安の悪さは異次元です」。かつてブラジルの首都として138年間栄え、2016年夏季五輪も開催された大都市・リオデジャネイロ。だが、観光客を狙った強盗や銃撃が後を絶たず、在留邦人にも度重なる注意喚起が発出されています。本稿では、到着時の状況を起点に、リオの歴史的背景、現在の治安情勢、再発防止策、観光客への注意点、今後の課題を幅広く解説します。

到着時の状況と総領事館の注意喚起

報道陣が滞在先へ移動中、マンションやホテルの入口で複数の身元不明者が物陰に潜み、無用心な旅行者を狙う犯罪が多発している旨が説明されました。日本外務省危険情報によると、リオデジャネイロ州大リオ圏は「レベル1:十分注意してください」とされており、拳銃を使用した強盗や組織犯罪の発生割合が非常に高いと警告されています:contentReference[oaicite:0]{index=0}。また、在リオデジャネイロ日本国総領事館の「リオの治安情報」ページには、2025年5月2日のコパカバーナ地区での大規模音楽イベントにおける混雑に便乗した窃盗や、カーニバル会場直近での強盗事案など、邦人被害の具体例が列挙されています:contentReference[oaicite:1]{index=1}。

リオデジャネイロの歴史的背景

1763年から1960年まで、ブラジル帝国および共和国の首都であったリオデジャネイロ。1960年に新設されたブラジリアへ遷都後も、文化・経済の中心地としての地位を保ち続けています。また、2016年夏季五輪・パラリンピックの開催地となり、一時的な治安強化策が取られたものの、大会後に治安対策予算が縮小されたとの指摘があります。都市の高低差を活かした美しい景観とリオの「アーバン・パルクール」と称される交通網は魅力的ですが、その裏で生じる都市計画のひずみが治安悪化を助長している側面もあります:contentReference[oaicite:2]{index=2}。

治安の現状:犯罪発生率と主な要因

2023年にリオ州西部・北部地域では733件の殺人が報告され、前年同期比で44%増加しました(2022年比):contentReference[oaicite:3]{index=3}。ブラジル全体の殺人率は100,000人当たり約17.9件(2024年)まで低下傾向にありますが、リオ州は全国平均を上回る凶悪犯罪多発地帯です:contentReference[oaicite:4]{index=4}。経済格差の拡大、麻薬密売組織と治安部隊の衝突、ファベーラ地域の勢力争いが重大犯罪増加の大きな要因とされています。

ファベーラと治安対策──UPPの試みと限界

2008年以降、リオ州政府は「Pacifying Police Unit(UPP)」を導入し、治安部隊とコミュニティを組み合わせた警察活動をファベーラに展開しました。初期には麻薬組織の勢力を大幅に後退させたものの、財政破綻や人員不足により撤退する地区も相次ぎ、治安改善は一進一退の状態にあります:contentReference[oaicite:5]{index=5}。現在では、UPP失脚後に勢力を回復した犯罪組織も存在し、警察だけでなく社会福祉や教育を含む包括的な政策が求められています。

観光客への影響と具体的な注意点

観光名所コパカバーナ、イパネマ、サンバドローモなどは依然として治安上の「ホットスポット」です。在留邦人や旅行者がこれら地域で体験した強盗・ひったくり事案は少なくなく、バッグやスマートフォンを歩行中に狙われるケースが多発しています。在外公館が推奨する主な対策は以下の通りです:

  • 人通りの多い通りを選び、夜間は移動を控える
  • 貴重品は身体の前側に携行し、見せびらかさない
  • 公式タクシーや配車アプリを利用し、路上での乗降を避ける
  • 現地警察や総領事館のホットライン番号をすぐに確認できる状態にする

今後の見通しと課題

2018年には連邦政府によるリオ州への介入が実施され、軍隊の治安維持支援が行われましたが、介入終了後に再び治安悪化が顕在化しました:contentReference[oaicite:6]{index=6}。今後は、連邦・州・市の三層連携を強化し、長期的視点でインフラ整備、教育支援、雇用創出を通じた貧困対策を推進する必要があります。また、観光振興と治安改善を両立させるため、国際機関や民間セクターを巻き込んだパートナーシップ構築も急務です。

結論

「治安の悪さは異次元」という言葉が示す通り、リオデジャネイロは歴史と文化の魅力を有する一方で、深刻な治安課題を抱えています。到着時の強い警告は対岸の火事ではなく、現地を訪れるすべての人が直面しうる現実です。最新情報を常に確認し、旅行計画や滞在中の行動に細心の注意を払うことが、リオで安全に過ごすための最低条件でしょう。

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