ジュリー氏出版の本 倫理的問題は

ジュリー氏出版の本 倫理的問題は

2025/06/10 (火曜日)

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松谷創一郎ジャーナリスト6/10(火) 16:062023年9月7日、ジャニーズ事務所の記者会見において(写真:REX/アフロ) 元ジャニーズ事務所の社長・藤島ジュリー景子氏が、7月に一連の問題を振り返る独白本を出版することがわかった。聞き手・書き手は小説家の早見和真氏だ。

 目次からはインタビューが2024年6月から12月にかけて行われたことがわかる。母・メリーと叔父・ジャニーとの関係

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序論

2025年7月18日、元ジャニーズ事務所代表取締役社長・藤島ジュリー景子氏へのロングインタビュー集『ラストインタビュー─藤島ジュリー景子との47時間─』が新潮社より刊行される。聞き手・書き手を務めるのは、本屋大賞ノミネート作などで知られる作家・早見和真氏。本書は2024年6月から12月にかけて計47時間に及ぶ対話を記録し、一連の性加害問題や経営判断、家族との関係性など、これまで公の場では語られてこなかった“当事者”の声を初めてまとめたものだ。 本記事では、本書の背景や歴史的文脈、ジャニーズ事務所の成り立ち、性加害問題の経緯、比較事例などを含め、約2,000文字以上のHTML形式で解説を行う。

ジャニーズ事務所の創業と成長

ジャニーズ事務所は1964年にジャニー喜多川氏が創業し、1975年に株式会社として法人化された男性アイドル専門の芸能プロダクションである。当初は少人数のジュニアタレント育成を主軸とし、1970年代後半からはSMAP、TOKIO、嵐など数々の国民的グループを世に送り出し、日本のアイドル文化を象徴する存在へと成長した。1990年代以降はバラエティやドラマへの進出も活発化し、テレビ・音楽チャートを席巻するなど、業界トップの座を不動のものとした。ジャニーズ事務所は、母体となるレコード会社「ジャニーズ・エンタテイメント」の設立や専用劇場の運営など、グループ総合エンタメ企業として多角的展開を図ってきた。

藤島ジュリー景子氏の経歴と家族背景

藤島ジュリー景子氏は1959年生まれ。母・藤島メリー泰子氏(旧姓喜多川メリー)は、創業者ジャニー喜多川氏の実妹として長年プロダクションの経営を支えた実業家で、名誉会長も務めた。メリー氏は自身もタレントプロデューサーとして手腕を発揮し、事務所内では“女帝”とも称された。ジュリー氏は2012年に代表取締役社長に就任し、叔父の下で培われたアイドル育成ノウハウを継承しつつ、経営面ではデジタル戦略や海外展開を推進してきた。しかし、2023年以降に表面化した性加害問題への対応をめぐり批判が集中し、事務所は「SMILE-UP.」への社名変更やタレント育成事業からの撤退を決断するに至った(※社名変更は2023年10月17日付け)

性加害問題の経緯と社会的影響

性加害問題は1990年代から一部で噂されていたが、2022年に複数の元ジュニアメンバーによる被害告発が週刊誌に掲載されたことで世間の耳目を集めた。2023年5月の記者会見で事務所側は謝罪と再発防止策を発表したものの、実効性や責任所在に疑念が残った。被害申告窓口には約1,000件の申告が寄せられ、そのうち約500件に対して補償が行われたとされる。この問題は単なる芸能界のスキャンダルにとどまらず、企業ガバナンスやパワーハラスメント防止の観点からも重大な課題を社会に投げかけた。

『ラストインタビュー』の概要と特徴

本書『ラストインタビュー』は、これまで一貫して沈黙を守ってきた藤島氏の言葉を中心に構成される。第1章から第5章まで、面接形式ではなく対話形式で進行し、質問に対する朱音に満ちた回答だけでなく、感情の揺れや言葉に詰まる瞬間もそのまま収録。インタビューは2024年6月10日を起点に、家族観や経営哲学、性加害問題への思いなど多岐にわたり、章末には藤島氏自身による手記や書簡が添えられている。既存の自伝や回顧録とは異なり、“リアルタイムで語られた肉声”を重視した構成が最大の特徴である。

他事例との比較

企業トップによる謝罪本・回顧録出版は他にも事例がある。例えば、トヨタ自動車の元社長による「失敗から学んだ経営論」や、NHK前会長の「放送と公共性」をめぐる告白録などが挙げられる。いずれも自身の在任中の問題について詳細に言及する点は共通するが、藤島氏の場合は“家族経営”ゆえに被害当事者と加害者の狭間に立たざるを得ない複雑な立場が際立つ。また、対話時間47時間のボリュームと、聞き手が小説家である点は、ビジネス書や公式見解としての性格を超えた物語性を帯びている点で類書を凌駕している。

今後の展望と課題

藤島氏は本書の刊行をもって自らの責任を公に問う姿勢を示す一方、謝罪や贖罪の具体策については言及を避ける場面も散見される。今後は新社名「SMILE-UP.」として再出発する組織の中で、被害者救済の継続性やタレントマネジメントの在り方が焦点となるだろう。また、芸能プロダクションにおけるガバナンス強化や第三者監査の導入など、企業文化の改革が急務とされる。読者・ファンがこの一冊から何を学び、今後のジャニーズグループのあり方にどう向き合うかが問われる。

結論

『ラストインタビュー─藤島ジュリー景子との47時間─』は、芸能界の頂点に君臨した女社長が沈黙を破り、自ら語ることで過去と向き合う試みである。背景にあるのは、性加害問題によって揺らいだ信頼と家族経営の“複雑な絆”であり、読後には単なるゴシップではない深い倫理的・社会的示唆が残る。本書を通じて、企業責任や被害者救済、そして芸能プロダクションの未来像を再考する契機を持っていただきたい。

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