α世代が夢中「しなこ」の素顔

α世代が夢中「しなこ」の素顔

2025/06/11 (水曜日)

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小中学生のカリスマ「しなこ」 大胆不敵すぎる行動力のカギは「良くも悪く中途半端主義」

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α世代とインフルエンサー文化の台頭

スマートフォンを“手足”のように使いこなし、SNSで日常を共有するα世代(2010年代生まれ)は、情報の“共感性”を重視し、自分と似た感性を持つインフルエンサーに強く惹かれます。TikTokやInstagramで短尺動画が主流となった今日、10代前半を中心とするこの世代は「ありのまま」「リアル」をキーワードに、自身の価値観を形成しています。こうした潮流の中、従来の“タレント主導”型から双方向性の高い“クリエイター主導”型へとメディア消費が変化し、特に「しなこ」という存在が象徴的な事例となっています。

「しなこ」とは誰か?本名やプロフィール

「しなこ」は、原宿の人気タピオカ店「ベビタピトーキョー原宿店」の店長を務める傍ら、TikTokを中心に数多くのフォロワーを獲得するインフルエンサーです。本名非公表ながら、慶應義塾大学卒とされる大学時代からSNSでの発信を開始。2024年の「TikTok影響力トレンドランキング」では年間1位にランクインし、α世代の熱狂的な支持を集めました。

原宿で生まれた「ベビタピ旋風」

「ベビタピトーキョー原宿店」は2019年にオープンし、ファッションとお菓子を融合させた「フォトジェニック」なドリンクメニューを次々と展開。店長であるしなこは、自ら新メニューの試作やSNS用の撮影企画を主導し、「自分が“かわいい”と感じるものを共有したい」というコンセプトを貫きました。その結果、全国からα世代のファンが来店し、行列店となるとともに、原宿カルチャーの新たな象徴として注目を浴びました。

ASMRからスイーツプロデュースへ──マルチな才能

しなこは、TikTokでのASMR動画がヒットしたことをきっかけに、一気に認知度を高めました。ASMRとは、音声や効果音を通じて聴覚的快感を与える動画コンテンツであり、α世代の「没入体験」を満たす新たなエンタメ形式です。そこから一歩踏み出し、店長としてオリジナルスイーツの開発に携わり、「ベビタピ」ブランドの売り上げに大きく貢献。さらに自身のプロデュースによるオリジナル楽曲リリースも行い、多方面での活躍を続けています。

雑誌『AERA』表紙初登場──メディア露出の飛躍

2025年6月9日発売の週刊誌『AERA』6月16日号では、初の表紙起用を果たしました。写真家・蜷川実花による鮮やかなビジュアルとともに、巻頭インタビュー「“好き”にまっすぐ生きたい」が掲載され、しなこのメッセージ性が取り上げられています。従来のファッションモデルやタレントとは異なり、“等身大”のクリエイターとしての素顔が誌面を彩りました。

α世代からの共感を生む「言葉の選び方」

しなこは、「難しい言葉よりも短く覚えやすいフレーズ」を意識し、日常の“気づき”や“推しポイント”を具体的に伝えることで、フォロワーとの距離を縮めています。たとえば、お菓子紹介では「見た目かわいいだけじゃなくて、このクリームが最高に溶ける瞬間がクセになる」など、五感に訴える表現を用い、視聴者の「あと1秒見たい」という好奇心を刺激。こうした「共感型コミュニケーション」が、α世代の支持を集める秘訣です。

α世代の共感力と「好き」を大切にする姿勢

α世代ラボ主任研究員の喜藤雄介氏は、「α世代の特徴は“共感力の高さ”と“好きなものへの愛着”」と指摘します。しなこ自身もファンとのやり取りを通じて、視聴者からのリアクションを細かく反映。しなこが発信したスイーツへ寄せられる「ここが美味しそう!」「こんな組み合わせ思いつく?」といった言葉は、ファンからファンへと波及し、店頭来店や動画再生につながっています。

企業コラボとファッション誌アンバサダー起用

自らのブランド価値を背景に、しなこは国内外のファッション誌や企業コラボへも活躍の場を広げています。2024年には『Cuugal(キューーガル)』のアンバサダーモデルに抜擢され、雑誌の企画ページで「私の推しコーデ10選」を連載。SNS上でトレンドとなったメイク術やファッションアイテムを紹介し、従来の雑誌読者層のみならずα世代の関心を誌面にもたらしました。

デジタルネイティブ世代を支えるブランド戦略

ブランドや企業がα世代を取り込む際には、しなこのようなデジタルネイティブ世代への理解が不可欠です。動画コンテンツのクオリティ、SNSでの双方向コミュニケーション、イベントやライブ配信の企画など、オンラインとオフラインを組み合わせた「OMO戦略」を展開することで、若年層のロイヤリティを高める手法が注目されています。

比較:海外ティーン・インフルエンサーの潮流

米国ではアドリアナ・ジマーマンやチャーリー・ダミリオなどがTikTok発で音楽業界やファッションブランドとコラボを行い、ソーシャルコマースを牽引しています。英国のクロエ・ターリーもYouTubeやInstagramでライフスタイル投稿からパーソナルブランド展開へと進出。しなこはこれらと同様、日本のα世代に向けた“国産クリエイター”としての新モデルを提示している点で共通性があり、今後の展開に大きな示唆を与えています。

モチベーションの源泉──「自分らしく生きる」メッセージ

しなこはインタビューで「子どもの頃から枠にとらわれず、自分らしく生きる人に憧れていた」と語っています。クリエイター活動の原動力は、「自分の好き」を形にし、それが誰かの「好き」に繋がる瞬間を何よりも大切にすること。α世代へ伝えたいメッセージとして、「恐れずに、自由に発想しよう」というポジティブな価値観を発信し続けています。

今後の展望と課題

しなこは今後、オリジナルブランドの立ち上げや、グローバル展開も視野に入れているとされます。一方で、インフルエンサーの急増によりコンテンツの「飽和」が懸念され、長期的なファン維持には“信頼性”と“クオリティ”の両立が課題となります。また、SNSプラットフォームのアルゴリズム変化や規制強化にも柔軟に適応しながら、自己表現の自由と責任をどう両立させるかが、しなこだけでなく全クリエイターに問われています。

結論:しなこが照らすα世代の未来

「しなこ」は、α世代が求める“共感”、“自由な表現”、“リアルな体験”を具現化した存在です。原宿から発信されるスイーツ情報やファッション提案、ASMRコンテンツは単なる消費喚起を越え、世代の価値観を映し出す鏡となっています。今後、クリエイターとフォロワーが共に成長し合う新たなエコシステムが、日本発のカルチャーとして世界に羽ばたく可能性を秘めています。

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