由伸 6回無失点9Kも7勝目ならず
2025/06/08 (日曜日)
ドジャース・山本由伸 6回4安打無失点9奪三振も援護なく今季7勝目ならず チームはサヨナラ負け
2025年6月7日(現地時間)、ロサンゼルス・ドジャースは本拠地ドジャースタジアムでセントルイス・カージナルスと対戦した。先発マウンドに上がったのは、日本人右腕の山本由伸。6回を投げて被安打4、奪三振9、失点0という圧巻のピッチングを見せたものの、打線の援護がなく、試合は延長10回に相手のサヨナラ適時打で1対2のサヨナラ負けを喫した。山本は今季7勝目を逃しながらも、チーム最優秀投手としての存在感を改めて示した。
山本由伸は1998年8月17日生まれ、岡山県出身。高校卒業後の2016年ドラフトでオリックス・バファローズから1位指名を受け、プロ入り。2020年から21年連続でチームのエース格として活躍し、最多勝・最優秀防御率・最多奪三振の三冠を3年連続で獲得。2023年オフにポスティング制度を通じてメジャー移籍を果たし、ドジャースと12年総額3億2,500万ドルの大型契約を締結した。移籍1年目の2024年にはMLBデビューシーズンながら着実な成績を残し、チームのワールドシリーズ制覇に大きく貢献している。
2025年シーズン序盤から安定感を誇る山本は、規定投球回到達ペースをキープしつつ、防御率2点台前半、奪三振率10.5 K/9前後をマーク。速球は最速102マイル、平均95マイルを維持し、スライダー・チェンジアップとのコンビネーションで左打者にも右打者にも有効。特にチェンジアップの落差と制球力の良さが際立ち、得点圏での被打率は極めて低い数値を記録している。
山本の好投にもかかわらず、ドジャース打線は近年まれに見る低調ぶりを露呈している。この日の打線は山本登板時に12打数0安打と完全に封じ込められ、直近3試合の得点圏打率は1割台。主力の故障離脱が相次ぎ、若手の起用が増えているが、いまだ一貫した得点力を発揮できていない。チーム全体の得点平均は1試合あたり3.5点程度に留まり、投手陣の奪三振力に見合う援護点が得られない状況が続いている。
MLBで活躍する日本人投手はダルビッシュ有、田中将大、前田健太らが知られるが、彼らも時折援護不足に泣かされた。特に田中はヤンキース時代、7回無失点でも勝ち星に恵まれない試合が複数あった。山本の場合、NPB時代の「援護率」は同世代トップクラスだっただけに、メジャーの過酷な環境下で同様の打線バックアップを得られない現状は大きなギャップと言える。今後はチーム全体の打撃改善が山本のタイトル争いにも直結しそうだ。
山本はメジャー移籍後、試合中のリズム作りや守備陣とのサイン連携でも高い評価を受けている。特にスローイングの正確さはランナー牽制だけでなく、内野守備の安心感にもつながる。しかし、勝利投手の権利を得ながら援護がなく降板するケースが増えると、投手のメンタル維持が課題となる。監督やスタッフは休養日や精神面のサポートを強化し、山本の集中力が切れないようフォローしている。
残りシーズンを通じて山本は規定投球回を超え、サイ・ヤング賞投票で上位に食い込む可能性がある。だが、ドジャースが地区優勝やポストシーズン進出を確実にするには、打線の得点力回復が急務である。フロントはトレード市場や自由契約選手の補強を視野に入れ、バッティングコーチの起用法や打順構成にも工夫を凝らす方針。山本が勝利投手の権利を得られるよう、マウンドと打席の両面でチーム力の底上げを図る。
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