末續慎吾が悔し涙 世陸は困難に
2025/06/08 (日曜日)
【陸上】45歳の末續慎吾、11秒08で涙「人生でこんなに悔しいことが…」 世界陸上への道を絶たれ
2025年6月8日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた関西実業団選手権の男子100mオープンで、45歳の末續慎吾(EAGLERUN)が11秒08(追い風+0.1m/秒)をマークしました。予選1組7着に終わり、7月に行われる日本選手権の参加資格記録(10秒34)を突破できず、この結果により8月開催の世界陸上パリ大会への出場は絶たれました。レース後、末續は「人生でこんなに悔しい経験はない」と目に涙を浮かべました。
当日は晴天でほぼ無風のコンディションでしたが、午後には局地的な乱流も発生。末續はスタートこそ良かったものの、後半50mで失速し11秒08でゴールしました。このタイムは本人のシーズンベストには遠く及ばず、ゴール直後には悔しさをにじませる表情が印象的でした。
末續は昨年SNSで「もう一度世界選手権に出たい」と宣言し、45歳にして現役挑戦を続けています。5月のレースでは10秒82など好タイムを出し、まさに絶好調でしたが、左足の外反母趾痛が練習に影響し、万全のコンディションで本番に臨めませんでした。
日本選手権100mの参加資格は10秒34で、これをクリアして初めて代表資格を得られます。末續の自己ベスト(10秒13)からは大きく離れた状況での挑戦であり、11秒08では到底記録突破には届きませんでした。
末續は1980年生まれ。東海大学時代に世界陸上200mで銅メダルを獲得し、日本選手権200mでは20.03秒のアジア記録を樹立。アテネ五輪ではリレーで4位入賞も果たした、日本短距離界のレジェンドです。
45歳以上の日本記録は11秒02で、末續の11秒08はわずか0.06秒差でした。世界的にも40歳超えでサブ10をマークした事例があり、高齢スプリンターの挑戦は世界中で注目を集めています。
末續は指導者や解説者としての道も視野に入れています。45歳で11秒08を出し続けた姿勢は、若手やマスターズ世代に強い刺激を与え、「年齢に関わらず挑戦し続ける」姿勢の大切さを示しました。
45歳の末續慎吾が刻んだ11秒08は、世界基準には届かなかったものの、自己ベストに近いタイムを更新し続けたこと自体が大きな意義を持ちます。今後は次世代の育成や普及活動を通じ、彼の築いたレガシーが日本短距離界をさらに前進させることが期待されます。
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