珍事 男子200m決勝で同タイム決着
2025/06/08 (日曜日)
スポーツニュース
日本インカレで同着Vの珍事! 男子200m決勝「20秒896」1000分の1秒まで差なし、同タイム決着に会場どよめき
2025年6月8日、岡山・JFE晴れの国スタジアムで開催された第94回日本学生対校選手権(日本インカレ)男子200m決勝で、岩手大の佐々木清翔と環太平洋大の大橋明翔がともに20秒896(向かい風0.3m/秒)をマークし、1000分の1秒まで計測しても差がつかない“同着優勝”という珍事が起きた。長い審議の末、両選手の名前が連続してアナウンスされると、会場は大きなどよめきに包まれた :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
現代の陸上競技では、フォトフィニッシュカメラが1秒間に数千枚の画像を撮影し、選手がフィニッシュラインを通過した瞬間を0.001秒単位で解析する。今回の20秒896という数値は、世界基準の計時システムによって導き出されたもので、肉眼では判別不能な同着が公平に判定された。
日本インカレの男子200mで同時優勝が生じたのは史上初めて。32年ぶりに関東勢以外の優勝者が誕生したことも相まって、東北勢(佐々木)と中四国勢(大橋)初の戴冠という快挙となった。国際大会でも珍しい同着優勝は、1984年ロサンゼルス五輪女子100mなどわずかな例にとどまり、トラック競技の“一瞬の駆け引き”が改めて注目された。
日本インカレ(正式名称:日本学生対校選手権)は1925年に第1回大会が開催され、学生日本一を決める伝統の大会。各大学が代表選手を送り込み、将来のオリンピアンや日本記録保持者を多数輩出してきた。陸上競技の底辺拡大とレベル向上に大きく貢献している。
この同着優勝を機に、両選手はさらなる自己記録更新を目指して臨むだろう。大学対抗戦後は日本選手権や国際大会への挑戦が控えており、今回の僅差勝負で鍛えられたスプリント力がどのように生かされるかに注目したい。また、日本陸連は今回の判定を踏まえ、フォトフィニッシュ運用の最適化も検討していく方針だ。
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