無人営業の会員制ジムで利用者の高級ジャケット窃盗 容疑で18歳の男逮捕
2025/06/23 (月曜日)
逮捕容疑は昨年12月24日午後9時半ごろ、京都市下京区の無人営業のジムで、ハンガーラックに掛かっていた利用者の男性(26)のジャケット1着(時価約10万円相当)を盗んだとしている。
府警によると、被害者が下京署に被害届を提出し、防犯カメラなどから関与が浮上した。
2025年6月22日深夜、京都府警は会員制無人フィットネスジムに侵入し、利用客の男性がハンガーラックにかけていた高級ブランドのジャケット1着(時価約10万円相当)を盗んだとして、住所不定・無職の18歳少年を窃盗容疑で逮捕しました。容疑を認めており、「お金がほしかった」と供述しています。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}
今回の現場となったジムは専用の会員カードやスマートフォンアプリで入退室を管理し、24時間無人営業を売りとしています。内部には監視カメラが設置されていますが、常駐スタッフはおらず、荷物置き場に鍵付きロッカーもありませんでした。少年は会員登録を偽名で行い、夜間利用客を装って入室。薄暗いラックの隙を突き、ジャケットをポンと引き抜いて外部へ持ち去ったとみられます。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
被害届によると、被害者は30代男性で、ジャケットはイタリア製高級ブランド品。時価は約10万円とされ、クリーニング費用などを含めると損害総額は約11万円にのぼります。運営会社はジム利用規約で「貴重品の管理は利用者責任」と明記していましたが、利用者からは「無人ゆえの安心感が仇になった」と憤りの声が上がっています。
捜査1課は当日の防犯カメラ映像を解析し、ラック周辺で不審な動きを繰り返す人物を特定。入退室ログと照合した結果、同一の会員番号で複数回入場していた少年に絞り込み、6月23日未明に自宅近くで逮捕しました。スマートフォンには盗品の写真データが残されており、動機解明に役立てられています。
逮捕された少年は18歳で少年法の適用対象となり、今後は家庭裁判所に送致される見込みです。窃盗罪(刑法第235条)では10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性がありますが、少年事件では原則として非公開の審判を経て、保護観察や児童自立支援施設送致などの処分が検討されます。
近年、無人店舗や無人ジムを狙った置き引き・盗みが全国で相次いでいます。2025年5月には大阪府内の無人ジムで利用客のかばんを盗んだ18歳少年が逮捕され、同様の被害が70件以上確認された事例もあります。低価格・無人化ビジネスモデルの陰で、防犯対策の不備が悪用されやすい現状が浮き彫りになっています。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}
利用者側も「自己責任」をうたう規約に甘んじず、貴重品は必ず鍵付きロッカーへ預けたり、持ち運びしやすい小型バッグを身につけるなど、自衛策を徹底すべきです。防犯カメラの設置だけで安心せず、利用者自身の注意も不可欠です。
警察庁は無人施設での犯罪抑止に向け、警備業法や建築基準法の改正を検討中です。また、フィットネス業界団体は「無人施設防犯ガイドライン」を策定し、全国の加盟ジムに適用を呼びかけています。行政と業界が連携し、安全基準を法制化する動きが今後の鍵となります。
無人営業の会員制ジムは、コスト削減と利用料金の低廉化というメリットを提供しますが、防犯面の脆弱さは見過ごせません。運営側は技術と人手を組み合わせた多層的対策を講じ、利用者の信頼を獲得する必要があります。同時に、利用者本人も貴重品管理を徹底し、安全と利便性を両立させる意識を持つことが求められます。
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