大谷翔平選手装い詐欺 容疑でネパール国籍の父子を逮捕「世界一なので多額の保険料必要」
2025/06/24 (火曜日)
2人の逮捕容疑は令和6年11月上旬~中旬、SNSで大谷選手を装い、港区の80代女性に、「世界一の人間なので多額の保険料が必要」などと嘘のメッセージを送信。同月22日、ニウレ容疑者が大谷選手の代理人になりすまして女性宅付近を訪れ、現金100万円を受け取ったとしている。
同署によると、だまし取った金の大半はシャルマ容疑者の口座に入金されていた。女性は現金を渡す際、ニウレ容疑者に指印を押させており、指
2025年6月24日、警視庁高輪署は、大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手を装い、東京都港区在住の80代の高齢女性から「世界一の人間になったので保険料が足りない」などと嘘を言って現金100万円をだまし取ったとして、ネパール国籍の大学生ニウレ・スマン・クマール容疑者(26)=足立区在住=と父親のシャルマ・パドマ・ナス容疑者(44)=同=を詐欺容疑で逮捕した。(出典:朝日新聞)
捜査本部によると、昨年11月、ニウレ容疑者は無料通信アプリ「LINE」で大谷選手になりすました偽アカウントを作成。女性に「保険料が何千万円も必要だが足りない、払ってくれないか」と持ちかけた。やりとり後、ニウレ容疑者は「大谷選手のエージェント」を名乗り、被害者宅を訪問。現金を直接受け取り、父親名義の口座に大半を振り込ませたという。(出典:毎日新聞)
逮捕された親子は容疑を認めている。ニウレ容疑者は大学で日本語を学ぶ傍ら、SNSを通じた詐欺行為に加担したとみられる。父親のシャルマ容疑者は国籍取得後も職業不詳で、家族ぐるみでの計画的犯行と捜査当局は見ている。(出典:日刊スポーツ)
詐欺罪は刑法246条により、「人を欺いて財物を交付させる行為」を処罰対象とし、10年以下の懲役が科される可能性がある。高齢者を狙った巧妙な手口は社会的にも問題視されており、被害者保護の観点から厳罰化を求める声が強まっている。
近年、有名人を装った高齢者狙いの詐欺が相次いでいる。2024年には架空の警察官を名乗る「オレオレ詐欺」で数千万円をだまし取る事件も発生。SNSや通信アプリを悪用するケースが増加傾向にあり、手軽に情報をやりとりできる環境が犯罪温床となっている。
高齢者は情報リテラシー不足や対面での心理的信頼感から詐欺被害に遭いやすいとされる。金融機関では「振り込め詐欺防止の一時保留制度」を導入し、家族へ確認を促すほか、自治体レベルでは見守りネットワークやワンストップ相談窓口を整備している。
警視庁は「LINEをはじめとする通信アプリの偽アカウント監視強化」「高齢者向け地域講座の開催」「家族への注意喚起通知」を実施中。内閣府も高齢者を対象とした啓発ポスターやテレビCMで「家族に相談してから振り込もう」を呼びかけている。
外国籍による振り込め詐欺やなりすまし詐欺の摘発も増加している。言語の壁を逆手に取った手口や、国際送金を利用した資金移動ルートが課題となっており、警察庁は入管当局と連携して外国人犯罪者の監視・再発防止に取り組んでいる。
被害に遭った女性には被害回復支援金やカウンセリングを提供する体制が整備されつつある。今後はAIによる不審なアカウント検知技術の導入や、通信事業者への監視義務付けなど、技術的・制度的な対策強化が急務である。
大谷翔平選手を装った巧妙な詐欺事件は、高齢者を狙う新たな犯罪形態として警鐘を鳴らす。SNSや通信アプリの匿名性を悪用した手口は一層巧妙化しており、個人や地域社会、行政・警察が連携して防犯意識を高める必要がある。被害を未然に防ぐため、疑わしい連絡は必ず家族や警察に確認するなど、日頃からの備えが重要だ。
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