工藤会で内部分裂画策か 永久追放
2025/06/30 (月曜日)
地域ニュース
「鉄の結束」工藤会で内部分裂を画策か 最高幹部2人が永久追放に
2025年6月28日、ヤフーニュースが伝えたところによると、特定危険指定暴力団・工藤会(本部:北九州市)の最高幹部だった2人が、組織内で内部分裂を画策し新たに暴力団を設立しようとしたとして、2025年1月以降に工藤会から永久追放に当たる「絶縁処分」を受けたことが分かった。これはかねてより「鉄の結束」と称えられてきた同会の組織統制に大きな揺らぎが生じたことを示す動きとみられている【:contentReference[oaicite:0]{index=0}】。
報道によれば、追放されたのはかつて「ナンバー3」とされていた幹部Aと、情報戦略を担う幹部Bの2名。両名は2024年末頃から密かに連携を進め、独自の資金源とメンバーを抱えた上で分裂新団体を結成する計画を練っていたとされる。2025年1月、組織内の密偵から情報を得た総裁・野村悟被告ら上層部が内部監査を強化。その結果、A・B両名の行動が「組織の分裂を企てる裏切り行為」と断定され、2度と組織に戻れない「絶縁処分」の通告が行われたという【:contentReference[oaicite:1]{index=1}】。
1958年の創設以来、工藤会は「鉄の結束」を誇りに、幹部間の上下関係と誓約を厳格に守ることで知られてきた。組員には互いの行動を監視させ、密告者を絶対に許さない文化が徹底されており、過去の摘発でも幹部クラスが口を割らないことで捜査を難航させてきた。しかし今回、一枚岩と言われた組織の上層部に亀裂が入ったことは、これまでの神話を大きく揺るがす事件として注目される。
今回は新組織の立ち上げに向けた具体的な資金繰りやメンバー獲得が認定されたことが、処分の決定打となった。
日本最大の指定暴力団・山口組でも2015年に分裂騒動が発生し、分派「神戸山口組」が結成される事態となった。工藤会の場合、山口組ほどの規模や影響力はないものの、地域社会への「恐喝・みかじめ料」等の影響は甚大であり、分裂が治安に与えるリスクは同様だ。ただし、山口組分裂では両派の抗争が激化したのに対し、工藤会では組織上層部のみが追放され、現時点で抗争激化には至っていない点が異なる。
福岡県警は追放処分の情報を把握次第、元幹部2人の動向を警戒し、新組織結成の兆候を速やかに摘発する方針を示している。また、警察庁暴力団対策部は、地方の指定暴力団における上層部同士の内紛が地域社会の治安にどのように波及するかを調査中だ。行政側でも補助金不正受給や暴対法に基づく指導強化が検討されている。
工藤会の「鉄の結束」は長らく暴力団組織の中でも最強とも評されてきたが、今回の最高幹部2人の永久追放は、その神話に大きな亀裂を走らせた。組織の中核メンバーが分裂を画策し実際に行動に移した点は、内部統制の限界を露呈するものである。今後、元幹部が新団体を立ち上げた場合、地域社会への恐喝や抗争事件の再燃が懸念される。警察・行政は厳重な監視態勢を敷くとともに、暴力団排除の施策を一層強化する必要があるだろう。この動きを契機に、暴力団内部の結束神話が崩れた今こそ、市民と行政が連携し、組織犯罪を根絶するための地道な取り組みを加速させることが求められている。
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