ごみ処理施設に侵入、銅線盗む 容疑でベトナム国籍の男3人逮捕 警視庁
2025/06/16 (月曜日)
神奈川県鎌倉市のごみ処理施設に侵入して銅線を盗んだとして、警視庁捜査3課は建造物侵入と窃盗の疑いで、横浜市の無職、ブー・マイン・クオン容疑者(25)ら3人=いずれもベトナム国籍=を逮捕した。ブー容疑者は黙秘しており、ほか2人は「3人でやった」と認めているという。
逮捕容疑は共謀の上、5月21日午後8時ごろから22日午前4時までの間、鎌倉市のごみ処理施設に侵入し、2階電気室の床面をはがして銅線28
2025年5月21日夜から翌22日未明にかけ、神奈川県鎌倉市本町のごみ処理施設に侵入し、2階電気室の床をはがして銅線ケーブル28本(時価約120万円相当)を盗んだとして、警視庁捜査3課はベトナム国籍のブー・マイン・クオン容疑者(25)ら3人を建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕しました。他の2人は「3人でやった」と容疑を認めていますが、ブー容疑者は黙秘を続けています。本稿では、近年増加する銅線窃盗の背景、外国人犯罪組織との関連、施設セキュリティの現状、法的リスクや防犯対策などを解説します。
逮捕容疑によると、3容疑者は共謀の上、5月21日午後8時ごろごみ処理施設に侵入。施設2階の電気室に侵入するため、床面パネルをはがし、銅線ケーブル約28本を切断・持ち出しました。警備会社の巡回カメラに不審侵入が映っていたため、施設側から通報を受けた警視庁捜査3課が捜査を開始。防犯カメラ映像の解析で3人の足取りを特定し、横浜市内のアパートで身柄を確保しました【:contentReference[oaicite:0]{index=0}】。
銅価格の高騰に伴い、変電所や公共施設、鉄道車庫などから銅線を狙った窃盗事件が全国で増加しています。警察庁によれば、2024年の銅線窃盗認知件数は前年同期比15%増の約1,200件超。特に無人施設や老朽化した建物は防犯設備が不十分で、短時間で大量の銅線を持ち出される被害が相次いでいます。
近年、外国人グループが銅線窃盗に関与するケースが目立ち、とくにベトナムや中国籍の若者らが「回収→転売」のルートを構築しているとみられます。彼らは首都圏のアパートを根城に全国を移動し、複数人で効率的に犯行を行う組織的手口を用いるのが特徴です。盗品はブローカーに持ち込まれ、買取価格は1kgあたり600〜800円と高値で取引されます。
ごみ処理施設は夜間も機械運転が行われる一方、警備体制は最低限にとどまるケースが多いのが実情です。今回の施設も入退室管理が主管部門任せで、防犯カメラは敷地外周にのみ設置。2階電気室の床下パネルは工具があれば容易に取り外せる構造で、施設管理者は「銅線窃盗は想定外だった」と肩を落としています。
建造物侵入罪(刑法第130条)は「正当な理由なく他人の管理する建物に侵入」した者に3年以下の懲役または10万円以下の罰金を科します。また、窃盗罪(同第235条)は10年以下の懲役と定められ、合わせての量刑が問われます。被害規模が大きいほど、実刑判決の可能性が高まる傾向にあります。
2023年には、東京都内の高校設備から銅線を盗んだ外国人グループが逮捕され、懲役5年の実刑判決を受けています。また、愛知県では老朽化した公園の電灯配線を狙った事件で、共同正犯として起訴された5人が執行猶予付き判決となりました。裁判所は「公共インフラを狙う悪質性」を厳しく判断する傾向があります。
ごみ処理施設に限らず、公共インフラを対象とした銅線窃盗は「地域社会の安全保障」を揺るがす深刻な問題です。今回の逮捕を契機に、施設管理者と警察・自治体が一体となった防犯体制の見直しを進める必要があります。技術的対策と地域連携を推進し、再発防止に向けた取組みを加速させることが求められています。
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