女子大に極右乱入 韓国の男女対立

女子大に極右乱入 韓国の男女対立

2025/05/31 (土曜日)

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女子大に極右が乱入、韓国で深まる若者の男女対立が行き着く先は 破格の出産金、地方移住、「子どもを産む選択」のいま【産まない国・未来への模索】

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はじめに

2025年2月下旬、ソウルの名門私立・梨花女子大学(梨大)において、反フェミニズムを掲げる極右団体「新男性連帯」をはじめとする男性グループが乱入し、「豚女」「北朝鮮に消えろ」といった罵詈雑言を浴びせる事件が発生しました。これをきっかけに、韓国社会では若年層を中心とした男女対立が深刻化しつつあり、出生率低下への対応も含めた将来展望が問われています。以下では、当該事件の背景から、政府による破格の出産奨励金、若者の地方移住促進策、「子どもを産む選択」の現状までを2000文字以上で解説します。:contentReference[oaicite:0]{index=0}

女性専用大学への極右集団の乱入と背景

事件は、ジムからの帰路に偶発しました。24歳の女子大学生が「学内で突然男性グループに取り囲まれ、過激な罵声を浴びた」と証言した通り、抗議の趣旨は「女性のみの空間を許すな」というものでした。欧米の“マンオーバー”運動に影響を受けた韓国版マンスフィア(男性論客コミュニティ)が、女性専用施設を「差別」とみなして攻撃対象としたと分析されています。こうした行動は、大学を超えてオンライン上でも賛否を呼び、フェミニズム支持派と“新男性連帯”を支持する層との対立がエスカレートしています。:contentReference[oaicite:1]{index=1}

若者世代のジェンダー対立の深刻化

韓国の若者世代(いわゆるMZ世代)では、将来の結婚・出産に「メリットが感じられない」との声が強まり、男女双方に不信感が広がっています。女性は就労環境や家事・育児の負担不均衡を問題視し、男性は「家事参加を求めると女性の不満が増す」と感じるケースがあるため、相互理解のギャップが埋まりません。これにより、「結婚・出産は女性だけの選択ではなく、男女共同の責任」というメッセージが浸透せず、少子化問題は社会的亀裂を深める要因となっています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}

政府の少子化対策:破格の出産金と支援策

こうした危機感を背景に、韓国政府や地方自治体は「破格の出産奨励金」を打ち出しています。Newsweek Japanによると、ある自治体では第1子で約300万ウォン(約30万円)、第2子で350万ウォン、第3子600万ウォン、第4子720万ウォンもの支給額を設定し、全国平均を大きく上回る水準を実現しています。国レベルでも、出産育児一時金や子育て手当の拡充、保育施設の無償化を段階的に実施し、2025年には合計特殊出生率1.0割れを再び阻止する狙いです。:contentReference[oaicite:3]{index=3}

地方移住インセンティブと人口減少地域法

加えて、都市部一極集中を是正する狙いから「地方移住インセンティブ」も強化されました。韓国の都市青年団派遣制では、都市在住の若者に対し住居貸与や起業支援金、就業斡旋を行うほか、移住先の地方自治体が結婚・出産支援金や住宅購入補助金を提供する例も見られます。2014年に総合的支援法制として成立した「人口減少地域法」では、地方定住のためのインフラ整備や子育て支援を財政面で後押しし、実際に地方の出生率が全国平均を上回るケースも出てきました。:contentReference[oaicite:4]{index=4}

「子どもを産む選択」の今後の課題

しかし、こうした経済的インセンティブだけでは根本的な解決には至りません。ジェンダー対立の解消、男女双方が安心して子育てに参加できる労働環境の整備、男性の育児休業取得率向上など社会構造改革が不可欠です。地方移住策に関しても、雇用機会の確保や教育・医療インフラの整備が遅れると定着率が低下し、再び都市部に若者が流出するリスクがあります。多面的な支援の連携と、長期的視野に立った政策設計が求められています。:contentReference[oaicite:5]{index=5}

まとめ

梨花女子大での極右乱入事件は、韓国における若者の男女対立が社会全体の亀裂へと深まっている象徴的な出来事です。政府の破格の出産奨励金や地方移住インセンティブは対症療法に過ぎず、ジェンダー平等の実現と社会構造の改革によって、「子どもを産む選択」が真に可能となる社会を目指す必要があります。今後は、政府・自治体だけでなく企業や市民社会が一体となり、持続可能な少子化対策と世代間・ジェンダー間の調和を追求していくことが不可欠です。:contentReference[oaicite:6]{index=6}

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