いとうまい子 八十二銀の社外取に
2025/06/07 (土曜日)
総合ニュース
八十二銀行(長野市)は6日、社外取締役に俳優いとうまい子(本名小野田麻衣子)さん(60)を充てる人事を発表した。20日の株主総会で正式決定する。起用の狙いに関し「研究者としての知見があり、テクノロジーやダイバーシティーの観点から助言を期待している」(担当者)とした。
いとうさんは名古屋市出身で、歌手や俳優として活動。現在はリソー教育社外取締役や情報経営イノベーション専門職大教授などを務めている。
2025年6月6日、長野市に本店を置く地域銀行・八十二銀行は、俳優として活躍し現在は教育・情報経営分野でも活躍中のいとうまい子(本名:小野田麻衣子)氏(60)を社外取締役候補として起用する人事を発表しました。20日の定時株主総会で正式決定する予定で、同社では「情報技術や多様性(ダイバーシティ)の観点から助言を期待している」としています。
八十二銀行は1896年創業の長野県内最大手の地方銀行で、県内全域に支店網を展開しています。地元企業への融資や個人向け預金・住宅ローンなど、地域経済の「血流」としての役割を担い、人口減少・少子高齢化に直面する地方都市の経営環境下で、地域活性化への貢献が求められています。
社外取締役は、取締役会において経営陣から独立した立場で外部の知見を提供し、意思決定の透明性・公正性を確保する役割を担います。日本では2015年の会社法改正や、2021年のコーポレートガバナンス・コード改訂を受けて、上場会社における社外取締役の設置が事実上義務化され、多様なバックグラウンドを持つ人材の登用が急務となっています。
国内企業を中心に、女性取締役や外国籍取締役、異業種出身の社外取締役を招く動きが加速。多様な視点を取締役会に取り込むことで、従来の銀行業務や地域貢献策にとらわれない新規事業・政策が生まれやすくなると期待されています。いとう氏の教育・IT分野の知見は、まさにこの潮流に沿った起用といえます。
国内では、演歌歌手の石川さゆり氏が映画会社の社外取締役を務める例や、コメンテーターの古市憲寿氏が広告企業の社外役員に就任する例が増加中。文化人ならではの発想力やコミュニケーション能力、メディア受容力を企業広報やブランド戦略に活かす狙いがあります。
6月20日の株主総会で正式に承認されれば、7月以降の取締役会に参加。地域金融機関としては異色の人選だけに、地元企業や行政、教育機関との連携強化を通じた新規サービス創出に注目が集まります。また、行内の若手行員や女性行員のモチベーション向上にもつながり、銀行イメージの刷新や広報効果も見込まれます。
地方銀行と異業種人材のコラボレーションは、地域課題解決の新たな切り口を提供します。高齢化進む長野県内で、デジタル化支援や教育投資、観光振興事業など、銀行の金融機能を超えた“ハブ機能”強化が期待されます。いとう氏のネットワークを活かした首都圏・大学連携プロジェクトなど、新たな地域横断型の取り組みが生まれる可能性もあります。
八十二銀行の社外取締役にいとうまい子氏を迎える人事は、地方銀行の経営革新とガバナンス強化を目的とした先進的な取り組みです。テクノロジー、教育、多様性の視点を取締役会にもたらし、地域金融の枠を超えた事業創出や社会課題解決を後押しします。今後、正式決定を経て具体的な活動が始まれば、地方銀行と文化人のコラボレーションモデルとして全国的にも注目されるでしょう。
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