ベッカム氏に爵位授与へ 英報道
ベッカム氏に爵位授与へ 英報道
2025/06/07 (土曜日)
【ロンドン時事】英BBC放送は6日、サッカーの元イングランド代表主将デービッド・ベッカム氏（50）に、チャールズ英国王からナイトの爵位が授与されると伝えた。
要約
2025年6月6日、英メディアによると、元イングランド代表キャプテンのデビッド・ベッカム氏（50）が、キングズバースデー・オナーズ（王の誕生日勲章）においてナイト（ナイト・バチェラー）に叙される見込みとなりました。これにより「サー・デヴィッド・ベッカム」となり、妻のヴィクトリア・ベッカム氏は「レディ・ベッカム」の称号を得ます。本授与は、ベッカム氏の華々しいサッカー経歴だけでなく、ユニセフ親善大使や王室財団のアンバサダーとしての慈善活動、若者教育・環境保護への貢献が評価されたものです。
1. 授与の経緯
ナイト叙勲は英国王室が年に2回行う勲章授与の一環であり、6月のキングズバースデー・オナーズリストは毎年6月上旬に発表されます。ベッカム氏は2003年にエリザベス2世からOBE（大英帝国勲章・オフィサー級）を受章済ですが、今回初のナイト叙勲で、その功績がさらなる高みに認められました。昨年12月のチェルシー・フラワーショーでの王との親交も好意的に報じられたことが、追い風となった可能性があります。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}
2. 英国の爵位制度の概要
英国の爵位（ナイト、バロン、サーなど）は古代ノルマン征服期に起源を持ち、貴族制の歴史とともに発展してきました。ナイトは生涯称号で、爵位を家族に継承できない点が特徴です。挙国的な貢献を行った人物に叙される名誉称号であり、サーの称号使用は対面での授与式を経て正式に認められます。伝統的には軍人や政治家が多いものの、近年はスポーツ選手や文化人の受章が増加しています。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
3. サッカー界のナイト受章者一覧
サッカー界ではこれまで、チャールズ・クレッグ（1927年最初の騎士）をはじめ、スタンリー・マシューズ、アルフ・ラムジー、マット・バスビー、ボビー・チャールトン、アレックス・ファーガソン、ボビー・ロブソン、トレバー・ブルッキング、ケニー・ダルグリッシュ、ガレス・サウスゲートなど、わずか十数名が叙勲されています。本稿でベッカム氏は、史上17人目のサッカー関係ナイトとなる見込みです。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}
4. ベッカム氏のサッカーキャリアと実績
ベッカム氏は1996年にマンチェスター・ユナイテッドでデビュー後、欧州屈指のフリーキック精度とスキルで世界的評価を確立。プレミアリーグ優勝6回、UEFAチャンピオンズリーグ制覇1回、リーガ・エスパニョーラ優勝2回など、クラブで数々の栄冠を手にしました。イングランド代表では115キャップを記録し、3度のワールドカップに出場、6年間キャプテンを務めるなど国民的英雄としての地位を得ました。
5. 慈善活動と社会貢献
サッカー引退後もベッカム氏は、国連児童基金（UNICEF）親善大使やキングズファンデーションのアンバサダーとして、教育支援や環境保護、難民支援など多岐にわたる慈善活動を展開。2013年にはフランスでのPSG給与全額をチャリティに寄付し、マラリア根絶キャンペーンを率いるなど、スポーツを超えた社会貢献で国際的評価を高めています。 :contentReference[oaicite:3]{index=3}
6. OBEからナイトへの昇格
ベッカム氏は2003年にOBEを受章しましたが、2011年に検討されたナイト叙勲はHMRC（英税務当局）の調査を受け延期となりました。調査で不正は認められず、その後も公共イベントや王室行事への参画を続けたことで、再度ノミネートが実現。今回の昇格は、20年越しの念願成就ともいえます。 :contentReference[oaicite:4]{index=4}
7. 叙勲がもたらす影響
「サー・デヴィッド」の称号は、ベッカム氏のブランド価値をさらに高め、スポーツ界だけでなくビジネスや文化的活動へのレバレッジを強化します。特に自身が参画するMLS（米メジャーリーグサッカー）のマイアミクラブ経営や、サルフォード・シティFCへの投資プロジェクトは国際的注目を集め、英国のソフトパワー発信にも寄与するでしょう。
8. 他スポーツ界・文化人の授与事例
近年はテニスのアンディ・マリー（サー・アンディ・マレー）、クリケットのモルティ・スミスなど他競技選手や、作家のJ.K.ローリング（デイム叙勲）など文化人の受章も増加。ベッカム氏の叙勲は、スポーツ選手が「社会的影響力」を評価される新たな潮流を象徴しています。
9. 授与後の活動展望
今後ベッカム氏は、王室公式行事への参加や慈善ガラでの基調講演など、ナイトにふさわしい公的役割を担うことが期待されます。特に若者のスポーツ振興や環境問題へのアドボカシー活動は継続され、新たに文化・教育プログラムへの参画も模索されるでしょう。
10. まとめ
デビッド・ベッカム氏のナイト叙勲は、半世紀にわたるサッカー界での輝かしい実績と、国際的な慈善・社会貢献活動が評価された結果です。サッカー選手としてだけでなく、グローバルな影響力を持つ文化人・社会活動家としての位置づけを確立する重要な節目となります。今後「サー・デヴィッド・ベッカム」として、英国のみならず世界各地での公的・私的活動を通じ、さらなる社会的インパクトを発揮することが期待されます。
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