コロンビア大統領候補 銃撃受ける
2025/06/08 (日曜日)
総合ニュース
(CNN) コロンビア国家警察によると、大統領選候補のミゲル・ウリベ氏が7日、首都ボゴタでのイベントで銃撃された。
2025年6月7日、ボゴタ市内の公園で行われていたキャンペーンイベント中に、コロンビア上院議員であり2026年大統領選の有力候補と目されるミゲル・ウリベ・トゥルバイ氏(39)が背後から銃撃を受け、重傷を負いました。国家警察や与党・民主センター党は「許し難い暴力行為」と非難し、直後の現場検証では少なくとも一発が頭部付近を貫通したとみられます。事件発生時の映像や写真は世界中に拡散し、コロンビア国内で大きな衝撃をもたらしました。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
ウリベ・トゥルバイ氏は1986年1月28日、政治家一家に生まれ、母は記者ダイアナ・トゥルバイ、祖父は1978~1982年の大統領フリオ・セサル・トゥルバイ・アヤラというバックグラウンドを持ちます。2022年7月から上院議員を務め、保守右派の民主センター党に所属。2025年3月には正式に2026年大統領選への出馬を表明し、現職左派大統領グスタボ・ペトロ氏の対抗馬として注目を集めていました。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
事件は6月7日午後5時頃、ボゴタ西部フォンティボン地区の「エル・ゴルフィート公園」で発生。支持者ら数百人が集う中、ウリベ氏が演説を始めた直後、襲撃者が背後から発砲。警備にあたっていたボディーガードとの銃撃戦の末、襲撃者のうち少なくとも1名が現場で逮捕されました。ウリベ氏は緊急搬送先のエンガティバ医療センターで集中治療を受けており、政府は治療の進捗を随時公表するとしています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
左派のグスタボ・ペトロ大統領はX(旧Twitter)上で「命を尊重することが限界線だ」と非難声明を発表し、フランス訪問を中止しました。また、国防省は犯人逮捕に繋がる情報提供に最大30億ペソ(約1000万円)の懸賞金をかけると発表。一方で、野党からは「選挙活動の安全確保が最重要課題」として警備体制の抜本的見直しを求める声が上がっています。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
コロンビアは1980~90年代の麻薬組織や左翼ゲリラの影響下で政治家への暴力が多発し、特にカリスマ麻薬王パブロ・エスコバル時代には公人襲撃が常態化しました。2002年大統領就任式直前の大統領府襲撃事件など、国家元首や議員を狙った攻撃が後を絶ちませんでしたが、2016年のFARC和平合意以降は大幅に減少。しかし今回のような「選挙戦中の襲撃」は約30年ぶりであり、再び民主主義への脅威が浮き彫りとなりました。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
民主センター党は故ウリベ前大統領(2002–2010年)を党の後見者とし、保守・安全保障重視政策を掲げています。ウリベ氏の出馬表明後は、支持率が20%前後と安定し、最大野党として勢力を拡大中でした。2026年5月31日に予定される大統領選では、左派のペトロ現政権の評価を争点に、経済・治安・汚職対策が主要テーマとなります。今回の事件が選挙戦にどのような影響を及ぼすか、政界全体が注視しています。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
コロンビア政府は各候補者の警備を強化し、選挙運動の透明化・平和的実施を約束しました。選挙管理委員会は集会ごとの許可手続き見直しや、候補者と警察の連絡ルート確立を急務としています。市民団体や国際監視団からは「政治的暴力の根絶なくして健全な選挙なし」との指摘があり、警備と同時に政治的対話の促進も不可欠です。民主主義基盤の強化に向け、法整備や治安部隊の訓練強化が求められます。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
ミゲル・ウリベ・トゥルバイ氏銃撃事件は、コロンビア政治の平和的選挙文化への挑戦状ともいえます。1948年の「大虐殺」以降、国内の政治暴力は減少傾向にあったものの、依然として根強い社会的傷痕が残ります。法と秩序を重んじる政治風土の再構築には、市民と政治家、治安当局が協力し、暴力を許さないという共通認識を強めることが不可欠です。5年後の大統領選が安全かつ公正に行われるよう、コロンビア社会全体の取り組みが今、問われています。
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