G7開幕迫る 不安材料は米大統領
2025/06/08 (日曜日)
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G7サミット「結束」焦点 トランプ氏再登板後初 1週間後開幕、首脳声明見送りも
2025年6月15日から17日にかけ、カナダ西部アルバータ州カナナスキスで第51回G7サミットが開催される。今回のサミットはドナルド・トランプ米大統領が再選後初めて出席する首脳会議であり、主要7か国(カナダ、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、日本)と欧州連合の首脳が一堂に会する。開催まであと1週間となる中、各国間の結束を示せるかが最大の焦点とされる一方、合意文書(首脳声明)の見送りも検討されるなど異例の展開も浮上している。
G7は1975年にフランス大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタン氏の提案で発足し、当初はG6としてスタートした。1976年にカナダが加盟し現在のG7体制が確立し、自由主義経済と民主主義を基盤に世界経済、国際安全保障、気候変動など地球規模課題を協議する場として機能してきた。
2025年のG7サミットは6月15日から17日までカナナスキスで開催される。これはカナダでの開催としては2018年シャルルボワ以来で、議長国カナダのキャミラ首相は各国首脳との協調を強く呼びかけている。
トランプ大統領は2019年以来4年ぶりのG7参加となる。過去には共同声明を拒否するなどサミット運営に波乱をもたらしたことがあり、今回も発言内容次第で議題が大きく左右される可能性が高い。首脳間の緊張感が高まる中、他の参加国は“結束”をいかに示すかが課題となる。
首脳声明見送りの議論が出ているのは、米国の関税政策や対中国姿勢、ウクライナ支援をめぐって各国の意見が分かれているためだ。外相・財務相レベルでは共同声明をまとめたが、首脳レベルでは合意形成が一段と難航している。
トランプ政権が再登板した初のG7サミットでは、共同声明の見送りという異例策も取り沙汰されるほど対立が浮き彫りになっている。他方で、各国は「結束」を演出しつつ実務的な協力を継続するとみられ、首脳声明の有無を超えた協調の足跡が試される。
サミット後は各国が具体的な二国間・多国間協定や事業を通じてサミット合意を形にしていく。G7が掲げる共通目標—平和、安全、繁栄の実現に向け、首脳間の政治的意思と各省庁や民間の実践力が問われる重要な節目となる。
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