頭包む「真知子巻き」人気の訳
2025/06/08 (日曜日)
総合ニュース
宮田理江ファッションジャーナリスト/ファッションディレクター6/8(日) 7:012025春夏 コペンハーゲン ストリートスナップ(写真:Launchmetrics/spotlight/アフロ)ヘッドアクセサリーの「バブーシュカ」が街で注目を集めています。スカーフで頭を包む「真知子巻き」「ほっかむり」のような見え具合に仕上がるアイテムです。三角形に折って、あごの下で結んで、頭を覆うのが基本の使い方
2025年春夏シーズンのコペンハーゲン・ストリートスナップで一際目を引いたのが、ヘッドアクセサリーとしての「バブーシュカ」です。ロシア語で「おばあちゃん」を意味するバブーシュカ(babushka)は、レトロ感と機能性を併せ持つスカーフヘッドラップとして世界中のファッショニスタに注目されています。
バブーシュカは、三角形に折ったスカーフを頭頂からあごの下で結び、髪を完全に覆うスタイル。真知子巻きやほっかむりと似ていますが、よりレトロかつ立体的なシルエットが特徴です。軽やかなシフォンやコットン、シルクなど多彩な素材が用いられ、春夏は薄手のリネンやシルク混スカーフが選ばれます。
バブーシュカはもともと東ヨーロッパの農村女性が寒さや埃から頭髪を守るために使った実用品でした。20世紀初頭のソヴィエト時代には家畜市場や農作業中の定番スタイルとして定着し、映画や写真で象徴的に映し出されました。その後、パリのクチュール界にも取り入れられ、1950〜60年代にはファッション誌のカバーやオードリー・ヘプバーンの映画などで「レディライクな頭飾り」として脚光を浴びました:contentReference[oaicite:0]{index=0}
近年、ハイファッション・ブランドからも「バブーシュカ風ボンネット」が発売され、セレブの着用例がSNSで拡散。例えば、ヘイリー・ビーバーがニューヨークで取り入れたグレーのカシミヤ製ボンネットスカーフは、旧来の冬物アクセサリーを一変させ「バブーシュカコア」トレンドを加速させました:contentReference[oaicite:1]{index=1}
2025年春夏のコペンハーゲン・ストリートスナップでは、装いにナチュラルな抜け感を添えるアイテムとして多くのファッショニスタがバブーシュカを着用。花柄や幾何学模様、タイダイ染めなどさまざまな柄×素材使いが見受けられ、颯爽と自転車で通勤するモダンシックな北欧スタイルにもマッチしていました:contentReference[oaicite:2]{index=2}
基本の三角形結びに加え、シルクスカーフを細長く折って後頭部でリボン結びにする「レトロリボン巻き」や、前髪だけを覆う「ヘアバンド風巻き」などアレンジが豊富。柄合わせやスカーフのサイズ感によってカジュアルにもフェミニンにも調整できるのが魅力です。
春夏は透け感のあるコットンボイルや薄手リネン、シルク混スカーフがおすすめ。色数を抑えたワントーンコーデのアクセントとして使うと、ヘアスタイルが手軽に華やぎ、顔まわりにフレーム効果を生み出します。日焼け対策やヘアプロテクションにも有効です:contentReference[oaicite:3]{index=3}
近年では、生産過程での水使用量を抑えたり、リサイクルシルクを用いたエコ認証スカーフも登場。長く使える定番アイテムゆえに、「ファストファッション消費」ではなく「エコラグジュアリー」な視点で選びたい一品です。
バブーシュカは、実用性とファッション性を両立させたヘッドアクセサリーとして、今後も世界の街角で見かける機会が増えそうです。コペンハーゲン発のレトロモダンな「スカーフヘッドラップ」で、あなたも春夏のコーディネートに新たな風を吹き込んでみてはいかがでしょうか。
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