国道に逆走車 衝突された27歳死亡
2025/06/10 (火曜日)
茨城県境町の国道で逆走事故か 衝突された27歳男性が死亡 逆走してきた36歳男性は重傷 茨城県警
2025年6月9日未明、茨城県境町を通る国道で、逆走してきた乗用車と正面衝突し、逆走車の運転手(36歳)が重傷、対向車線を走行していた27歳の男性が死亡する事故が発生しました。警察は、逆走の原因解明と再発防止に向けた捜査を進めていますが、日本全国で相次ぐ「通行方向違反」事故の一端としても注目されます。
事故は午前3時半ごろ、境町細谷地先の片側1車線の見通しの良い直線道路で発生。通報を受けて駆けつけた警察と消防が現場に到着した時点で、逆走車両は路肩に停止し、運転手は意識不明の重体。対向車線を走行していた被害男性の車は大破し、間もなく死亡が確認されました。警察はドライバーの呼気や血液からアルコールや薬物の影響を調べるとともに、夜間の視界や標識設置状況を調査しています。
国土交通省・警察庁の統計によれば、逆走事故の発生件数は年間約3,000件に及び、そのうち重大・死亡事故は約200件。高齢ドライバーによる誤進入が約4割を占め、飲酒運転や深夜の疲労運転も一因とされています。また、高速道路の逆走は数十件に上り、単独事故から多重衝突まで多様な形態で発生しています。
多くの一般国道では、夜間照明が不十分で標識が老朽化しており、とくに片側一車線の直線道路で逆走リスクが高まります。自治体による道路維持管理予算の不足から、標識更新やLED化照明の設置が遅れるケースが多く、「道が分かりにくい」との声が住民からも上がっています。
逆走は道路交通法第17条(通行区分遵守義務)違反に該当し、違反点数が反則2点、違反者講習対象となります。警察は、高速道路や一般道での逆走通報ナビダイヤル「#9910」を活用し、市民からの情報提供を募るほか、可搬式レーダーによる速度違反取り締まりと併用した逆走検知システムの試行を進めています。
高速道路では逆走検知カメラと車両センサーを組み合わせ、逆方向走行を自動検知すると管理センターへ即時通報するシステムが一部区間で導入済み。監視員が高速道路交通情報を端末表示し、赤色回転灯や非常用標識で逆走車へ警告を発信します。今後はAI映像解析による自動検知強化が期待されています。
地方の生活道路でも逆走事故が増加すると、住民の外出自粛や夜間の見回り強化など社会的影響が大きくなります。地域では、自治会・学校・高齢者施設と連携した「道標見守り隊」の結成や、運転免許証返納支援策の周知、交通安全教室での逆走危険教育を推進しています。
欧州では道路ネットワークに逆走防止用ワイヤループを路面埋設し、逆走車両通過時に路肩警告灯を点滅させる技術が実用化されています。米国では緊急車両用の逆走抑止ガードレールを設置する実証実験が行われ、逆走車両の進入抑制に一定の効果が報告されています。
事故多発エリアの道路改良や標識・照明更新には大規模な予算が必要ですが、地方自治体は国の補助金制度を活用した道路安全交付金の拡充を要望しています。また、高齢ドライバー向けの認知機能検査導入や、逆走警告機能を備えた車載システムの普及促進も重要です。さらには、車両メーカー・保険会社と連携した安全運転支援技術(ADAS)の活用促進が逆走事故抑止に寄与します。
茨城県境町で発生した逆走事故は、高齢化・道路整備・照明不足といった複合的要因が重なる典型例です。国道や高速道路だけでなく、地方の生活道路においても逆走防止対策を総合的に強化し、「#9910」通報システムやAI検知技術といった先進手法を導入することで、悲惨な事故の再発を防ぎ、安心して走行できる道路環境の実現が急務です。
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