小泉氏 備蓄米など転売規制を検討

小泉氏 備蓄米など転売規制を検討

2025/06/10 (火曜日)

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総合 食べ物 お米ニュース

小泉農水大臣は、備蓄米などのコメについて転売を禁止する措置を検討していると明らかにしました。

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発表概要

2025年6月10日、農林水産大臣の小泉進次郎氏は、政府が備蓄米をはじめとする公的コメ備蓄の「転売禁止措置」を検討していることを明らかにしました。目的は、備蓄米の市場外流出を防ぎ、需給緩和策としての備蓄米放出の効果を十分に発揮させるためです。近年、備蓄米の一部が民間ルートで高値転売されるケースが報告されており、政府内では制度の穴をふさぐ必要があるとの声が高まっていました。

備蓄米制度の成り立ちと運用実態

日本のコメ備蓄制度は、1952年の食糧管理法制定に端を発し、食糧安全保障の柱として運用されてきました。政府は、凶作や輸入停止など非常時に備えて毎年一定量のコメを買い上げ、全国の倉庫に蓄えています。1995年の需給安定法改正以降は「棚上げ備蓄」として機動的放出が可能となり、年間約20万トンの備蓄米を市場調整用に活用しています。

しかし、備蓄米の一部は無許可で民間市場に流入し、米価が高騰している局面で高値で転売される事例が散見されました。特に“古古古米”(収穫後3年以上が経過した古い備蓄米)を安価に仕入れ、即日プレミアム価格で販売する小売店もあり、農家や消費者団体から「緊急放出の趣旨が損なわれている」と批判を受けています。

転売禁止措置の具体案とその意義

  • 禁止対象:政府備蓄米および市場調整用放出米の全量
  • 禁止行為:営利目的の第三者への譲渡・販売、オークション出品、クラウドファンディング等を含むいかなる形式の転売
  • 例外規定:自治体や被災地への無償配布、学校給食・福祉施設への寄贈など公共的な再配分を除外
  • 罰則:違反者には1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科す刑事罰の導入を検討

この措置により、備蓄米が本来の「緊急時の食糧安全網」として機能することを確保し、転売リスクによる市場混乱を未然に防ぐ狙いがあります。

コメ備蓄を巡る過去のトラブル事例

政府備蓄米の転売問題は過去にも指摘されてきました。2013年、地方自治体が備蓄米を地域の防災備蓄として民間倉庫に預けたところ、管理行方不明となり一部が闇市場に流出した事件が発覚。さらに2022年の備蓄米放出時には、販売業者が「産地偽装」を行い、異なる品質のコメを高値で売りつける悪質事例も報告されました。こうした背景が、今回の厳格化検討を後押ししています。

他国の食糧備蓄と規制例

世界各国も食糧備蓄の管理面でさまざまな制度を導入しています。アメリカでは戦略的穀物備蓄(SGR)が独立機関で管理され、放出米の民間流通に関しては厳格な入札制限を設けています。韓国では国家食品流通公社が管理台帳を一元化し、地方倉庫間の移動記録もリアルタイムで追跡可能です。いずれも備蓄品の透明性確保と不正流出防止を重視した運用モデルとなっています。

流通・価格安定策との整合性

政府の物価高対策として、備蓄米放出は市場価格に直接的な下方圧力を与える重要策です。備蓄を放出後、生産者には「耕作放棄地の再活用支援」や「飼料用米への転換奨励金」などで補填し、農家収入を保護します。また、流通段階では販売業者に対し「適正販売価格の公表」と「販売後の在庫報告」を義務付け、価格操作や転売リスクを抑制します。

消費者・生産者それぞれの視点

  • 消費者側:「備蓄米の放出が確実に市場価格安定に結びつくのか」「高齢者や低所得者向けには別枠の支援が必要では」といった声がある一方、転売による「備蓄の趣旨逸脱」を防ぐ措置には一定の理解が示されています。
  • 生産者側:「市場価格が過度に下落すれば農家の所得が圧迫される」「補填策が十分かどうか」との懸念が根強く、政府には放出量と時期の調整に加え、補助金・減免措置など手厚い農家支援を求める声が上がっています。

今後の課題と展望

  1. 制度設計の透明性:禁止措置の対象・範囲、例外規定を明確化し、運用ルールを広く周知。
  2. 監視・摘発体制の整備:JAや卸業者との連携によるリアルタイム在庫把握システムの構築。
  3. 関係者への周知啓発:転売禁止の趣旨を消費者・業者に広報し、不正事例の防止に努める。
  4. 価格安定と農家支援の両立:備蓄放出後のフォローアップとして、小規模農家向けの直接交付金や技術支援を拡充。
  5. 国際標準との整合:他国の備蓄管理モデルを参考にしつつ、日本の食文化・流通慣行に適合させた運用を検討。

まとめ

小泉大臣が検討を示唆した備蓄米の転売禁止措置は、2025年の食料安全保障と物価安定策の要となり得る重要な政策です。不正流出を防ぎ、公的備蓄の意義を守る一方、農家収入への配慮や市場への影響を最小限にとどめる複合的な制度設計が求められています。政府・JA・事業者・消費者が連携し、「公平・透明・持続可能」なコメ備蓄運用を実現することが今後の課題です。

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