雨 九州南部は土砂災害に厳重警戒
2025/06/11 (水曜日)
総合ニュース
11日(水)の天気 梅雨前線停滞で太平洋側中心に激しい雨 九州南部は土砂災害厳重警戒 北海道は雷雨に注意
11日(水)は日本付近に停滞する梅雨前線の影響で、西日本から東日本の太平洋側を中心に大気の不安定化が著しく進行します。前線上に暖かく湿った空気が次々に流れ込み、連続して雨雲が発生・発達するため、短時間に激しい雨が降るおそれがあります。特に関東甲信や東海地方では局地的に1時間に50~80ミリ程度の猛烈な雨となる可能性も高く、河川の増水や浸水被害が懸念されます。(出典:気象庁)
九州南部では11日早朝から夜にかけて総降水量が150~250ミリに達すると予想され、斜面地帯で土壌中の水分含有量が限界を超えやすくなります。これまでに降り続いた雨で地盤が緩んでいる箇所も多く、土砂崩れや地すべり、河川の越水などの大規模災害が発生しやすい状況です。過去の豪雨災害では、熊本県球磨川流域や鹿児島県肝属川流域で堤防決壊が相次ぎ、人的被害とインフラ損壊が甚大なものとなりました。今回も早期避難指示や避難勧告が発令される可能性があるため、自治体からの情報に速やかに対応する必要があります。(参考:令和2年7月豪雨検証報告)
太平洋側では、海面水温が平年より高めに推移していることから、海上で蒸発した水蒸気量が増加し、降雨エネルギーが強化されています。暖湿気流が前線に供給されると、上昇気流が強まって大粒の雨滴が形成されるため、短時間に豪雨化しやすくなります。また、山沿いの地形効果により、風下側で積乱雲が連鎖的に発達しやすい「線状降水帯」の形成が懸念され、降雨が数時間にわたり集中するリスクが指摘されています。(出典:気象研究所レポート)
一方、北海道では寒気の流入により大気の不安定度が高まる見込みです。特に道央から道北にかけて、昼過ぎ以降に積乱雲が発生しやすく、雷を伴う強い雨、突風、ひょうといった激しい天候の急変が予想されます。農作業や屋外イベントに従事する際は、雲が黒ずんで見える、風が急に強まるなど雷雲接近の兆候を見逃さず、速やかに頑丈な建物内へ退避することが重要です。(出典:北海道地方気象台)
過去10年を振り返ると、2018年7月の西日本豪雨では中国・四国地方で梅雨前線が長期停滞し、3日間で総雨量が800ミリを超えた地域がありました。この時は線状降水帯がほぼ停滞したことで大規模な河川氾濫と土砂災害が同時多発しました。今回の雨域はそこまでの長期間には及ばないものの、前線活動の活発度が高く、短時間集中豪雨の多発が想定される点で共通しています。各地の防災担当者は当時の教訓を活かし、段階的避難や緊急対策を講じています。(参考:西日本豪雨5年報告書)
地球温暖化の進行に伴い、大気中の水蒸気量は約7%増加するとされ、その結果として極端な降水イベントの頻度や強度は世界的に増加傾向にあります。日本でも夏季における短時間強雨やゲリラ豪雨の発生件数が増えており、従来型の気象モデルでは予測困難なケースが増加しています。今後は高精度レーダーシステムやAIを活用した豪雨予測の強化が急務となっています。(出典:IPCC第6次評価報告)
豪雨発生時には、まずは自治体発表の土砂災害警戒情報や洪水警報の内容を確認し、自宅の周囲に危険箇所がないか点検します。避難場所・避難経路の確認と、懐中電灯や非常用飲料水、携帯トイレ、防寒具などをまとめた「緊急持ち出し袋」の準備が不可欠です。特に夜間に降雨が激しくなる場合は、視界不良による移動リスクが高まるため、明るいうちに避難を完了させるよう心がけましょう。
最新の気象情報は気象庁サイトや各地方気象台の公式SNSを通じて常時更新されます。スマートフォンに気象情報アプリをインストールし、自動的に警報・注意報が届く設定にしておくと安心です。11日深夜以降も前線は徐々に東北以北へと北上し、本州内陸部にも雨域が拡大する可能性があります。12日以降は一部で前線が弱まる見込みですが、河川や山間部の増水・地盤の緩みはしばらく続くため、引き続き警戒を継続してください。
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