耳の中にもカビ 梅雨の時期は注意

耳の中にもカビ 梅雨の時期は注意

2025/06/11 (水曜日)

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総合 環境ニュース

“カビ”持ち歩いてない?…生えやすい「スマホカバー」「エコバッグ」なぜ 梅雨時期は「耳の中」にも注意【#みんなのギモン】

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身近な“カビ”問題の全体像

梅雨の高湿度環境下では、住宅内外を問わずカビの繁殖リスクが高まります。特に「持ち歩くもの」にもカビが繁殖しやすいのが昨今の問題です。スマートフォン用シリコンカバーや布製エコバッグなどは、使用後の湿気が内部にこもりやすく、見た目では気付きにくい状態でカビを持ち歩いてしまう可能性があります。さらに、体の一部—特に耳の中—にもカビが繁殖する「外耳道真菌症」という疾患があり、梅雨時期に増加傾向が指摘されています。

なぜスマホカバーにカビが生えやすいのか

  • 素材の特性:シリコンや樹脂製カバーは通気性が低く、水滴や皮脂が付着すると乾燥しにくい。
  • 使用環境:ポケットやカバンの中で汗や湿気を吸着し、カビの栄養源となる皮脂やホコリが付着しやすい。
  • メンテナンス不足:定期的に外して洗浄しないと、カビの胞子が増殖して黒ずみやぬめりを生じる。

実際の調査では、シリコン製カバーを2年以上使用し、ポケットに直接入れて持ち歩く人ほど、カビが生えやすい傾向が報告されています。

エコバッグのカビ問題

  • 直接収納:野菜や果物、下着などを直接入れると、水分や土汚れが生地に浸透。
  • 乾燥不足:使用後に折りたたんで保管すると、内側に湿気がこもりやすく、速乾しない。
  • 素材混合:布やメッシュ、ナイロンなど複数素材を組み合わせたバッグは、縫い目の隙間でカビが潜む。

エコバッグにカビが生えると、そのまま生鮮食品を入れると菌が移行する恐れがあり、健康リスクを高めます。

耳の中に生えるカビ:外耳道真菌症

「外耳道真菌症」は、鼓膜より外側の耳孔(外耳道)にカビが繁殖して起こる病気です。梅雨時期の高湿度と長時間のイヤホン装着がリスクを高めます。

  • 症状:かゆみ、痛み、聞こえづらさ、黒い耳垢の排出。
  • 原因菌:主にアスペルギルス属やカンジダ属などの空気中常在菌。
  • 治療:抗真菌薬の点耳薬やクリーニング、局所乾燥が中心。完治まで数週間から数ヶ月かかることもある。

クリニックの報告では、梅雨から初夏にかけて年間10人前後の患者が来院し、イヤホンの長時間連続使用や過度な耳掃除が誘因となるケースが多いとされています 。

過去の研究と予防法

カビ菌は胞子状で空気中に浮遊し、湿った環境を好んで定着します。以下の予防策が推奨されています。

  1. スマホカバーの定期的洗浄:週1回は外して中性洗剤で洗い、完全に乾燥させる。
  2. エコバッグの乾燥:使用後は裏返して広げ、風通しの良い場所で陰干しする。
  3. 耳の湿気管理:イヤホンは連続1時間まで、使用後20分は乾かす。耳掃除は月1回程度、綿棒で表面を軽く拭う程度にとどめる。
  4. 生活空間の換気:室内湿度を50%以下に維持し、こまめに窓を開けて換気扇を回す。

これらの方法は、家庭内のカビ発生を抑制し、持ち歩くグッズや体表面のカビリスクを低減します。また、専門家は「カビの胞子は食事用具や衣類にも付着するため、注意を全体に広げること」が重要と指摘しています。

比較事例:海外のカビ対策

欧米諸国では、カビ対策として住宅内にHEPAフィルター付の空気清浄機を設置し、相対湿度を40~60%に保つことが推奨されています。また、シンガポールやマレーシアなど高温多湿地域では、公共施設に除湿システムを導入し、見えないハウスダストやカビ胞子を除去する取り組みが進められています。

まとめと今後の展望

梅雨時期になると、私たちの日常に潜むカビリスクが顕在化します。特に「スマホカバー」「エコバッグ」といった身近な持ち歩きアイテムから「耳の中」といった体内環境まで、広範囲に注意が必要です。定期的な洗浄・乾燥の徹底、湿度管理、適切な耳ケアにより、カビ繁殖を未然に防止できます。今後は、抗菌素材の開発やIoTによる湿度センシングなど、新技術を活用した予防策の普及も期待されます。

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