3月に事故で重体の男児 意識回復
2025/06/11 (水曜日)
横断歩道を渡る途中車にはねられ約2か月意識不明の重体…男子小学生が意識回復 はねた男(74)は事故3日後に高校生をひき逃げ、その後も無免許運転…3度も逮捕
2025年3月31日午後、鳥取県鳥取市松並町の県道交差点において、74歳の男が運転する軽トラックが横断歩道を渡っていた小学3年生の男子児童をはね、児童は約2か月にわたり意識不明の重体となっていました。ところが、6月10日、児童が意識を回復したことが判明し、家族や地域社会に安堵が広がっています 。
被疑者は鳥取県伯耆町在住の無職の男(74)で、3月31日の事故直後に過失運転致傷の現行犯で逮捕・送検されました。その後釈放され、任意捜査が続いている中、男は島根県安来市でも4月3日に高校生(15歳)をはねて軽傷を負わせたにもかかわらず現場から逃走したとして、ひき逃げ容疑で再度逮捕・送検されました 。
さらに6月10日、警察は男が5月7日に免許取消後にもかかわらず軽トラックを運転していたとして、道路交通法違反(無免許運転)の疑いで3度目の逮捕・送検を行いました。警察は、住民からの通報を受けて男を特定し、自宅付近の国道での運転を確認したうえで逮捕に踏み切ったと説明しています 。
最初の事故で意識不明となった男子小学生は、搬送先の病院で集中治療を受けた後、徐々に容体が安定し、自発呼吸や会話が可能になるまで回復しています。高校生は左大腿部打撲などの軽傷で済み、いずれも命に別条はありませんでしたが、事故の衝撃は大きく、心的外傷のケアも課題となっています。
3月末の事故発生時点では、警察による事故検証と逮捕状の執行が迅速に行われました。しかし、その後の再逮捕時期には無免許運転の情報提供に時間を要し、捜査体制の課題が指摘されました。現在、過失運転致傷、ひき逃げ、無免許運転の各容疑について検察庁での起訴判断が注目されています。
過失運転致傷(刑法209条)は、「過失により人を負傷させた場合」に適用され、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科され得ます。ひき逃げ(道路交通法第117条)は「負傷させた後に救護措置を取らず現場を離れた場合」で、10年以下の懲役または100万円以下の罰金が定められています。無免許運転(道路交通法第117条の2)については、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
近年、高齢ドライバーによる交通事故が社会問題化しており、政府は免許返納促進策や運転技能検査の頻度見直しを検討中です。現場では運転適性検査の強化や自動ブレーキ搭載車の普及が急務とされていますが、免許取消後の無免許運転防止策も含め、包括的な対策が求められています。
鳥取県内では被害児童の通学路や事故多発地点の安全対策強化が進み、学校周辺に横断歩道の再整備や速度抑制の道路標示が追加される予定です。また、被害者支援団体による心理サポートや、児童・生徒・保護者向けの交通安全講習も強化されます。
同一人物による3度の逮捕・送検は異例であり、再犯防止と事故被害の軽減を図るため、司法、行政、地域社会が連携した総合対策が不可欠です。被害児童の完全回復を願うとともに、交通安全制度の見直しと高齢ドライバー対策の深化が今後の課題として浮かび上がっています。
コメント:0 件
まだコメントはありません。