れいわ新選組も都議選議席ゼロ、事前調査で健闘報じられるも「既得権益の壁に阻まれた」
2025/06/23 (月曜日)
同党は世田谷、杉並、練馬各選挙区に候補を擁立し、「財源はある!積極財政で東京から国を揺らせ!」と掲げていた。
共同通信社が告示直後の14、15両日に実施した電話調査の都議選の投票先政党別内訳で、れいわは4%。3議席を獲得することになる参政党の3%を上回っていた。「週刊フジ」も5月末、れいわの獲得議席について「勢いがあり、1~2議席」と分析していた。
櫛渕氏は「しかし、今日が新しいスタートです」
れいわ新選組は2025年東京都議会議員選挙において、世田谷区、杉並区、練馬区の3選挙区に候補者を擁立し、若手中心の「財源はある!積極財政で東京から国を揺らせ!」というスローガンを掲げて挑みました。これは、東京都の税収が過去最高を更新しているにもかかわらず、都民生活の実感として「暮らしの苦しさ」が解消されていない問題意識を政治の最前線から直接打破しようという意図が込められています(出典:産経新聞2025年6月23日)。
選挙告示直後の6月14日・15日に共同通信社が実施した電話調査によると、都議選の投票先政党支持率でれいわ新選組は4%を獲得し、3議席を得る結果となった参政党(3%)を上回っていました。この調査では、無党派層を中心に「新たな政策提案勢力」として注目が集まっていたことがうかがえます。しかし、実際の得票率や当落線上の微妙な選挙区情勢の読み違いから、最終的には議席獲得には至りませんでした(出典:共同通信社2025年6月14-15日調査)。
5月末発売の「週刊フジ」では、れいわ新選組の東京での勢いから1~2議席獲得を予想していました。誌面では「若者と中間層を中心に一定の支持基盤を築いており、ポスト小池都政の代替勢力として台頭する可能性がある」と分析。しかし、選挙区ごとの地盤の薄さや組織動員力の限界が最後まで克服できず、週刊フジの楽観的予測とは裏腹に、議席確保には至りませんでした(出典:週刊フジ2025年5月末号)。
東京都議会ではこれまで、自民・公明の保守与党に加え、立憲民主党や共産党などの主要野党が議席を分け合ってきました。第三極・小政党が議席を確保するのは極めて困難で、これまでみられたのは1990年代の新党ブームや2005年郵政選挙時の小泉旋風くらいでした。令和新選組の今回の挑戦も、この大きな潮流をいかに乗り越えるかが焦点となりましたが、結果的に都議会の小党は無議席となり、歴史的な苦戦を強いられました。
れいわ新選組は山本太郎代表の知名度を背景に、クラウドファンディング等で若年層からの資金調達を拡大してきましたが、都議選の選挙運動では組織票や高齢層の地盤動員には不十分でした。世田谷・杉並・練馬など「中道からリベラル層が多いと言われる選挙区」でも、高齢化した支持層の取り込みや地域後援会の組織力が不足し、結果として投票日当日の投票率向上策に結びつきませんでした。
東京都議会議員選挙は全員が小選挙区制で行われ、比例代表はありません。この仕組みは大政党に有利に働き、小党や新興勢力には極めて高いハードルとなります。過去にも2017年の都議選で「都民ファーストの会」が大躍進したのは、小選挙区での有権者の「現状打破」志向が強かったためであり、れいわ新選組は同じ改革勢力として期待されたものの、勢いを持続できず票が分散してしまいました。
候補者の一人で、参院東京比例で当選経験もある櫛渕万里氏は敗戦後に「しかし、今日が新しいスタートです」と語りました。れいわ新選組は今後、若年層の政治参加促進に向けた運動や、都政への政策提言を続けることで、次の国政選挙や2029年都議選への基盤固めを図る意向です。小選挙区制の壁をどう超えるか、組織力の強化と地域密着型の選挙戦略が大きな課題となるでしょう。
れいわ新選組の今回の都議選挑戦は、政策志向型の若年層支持をいかに組織的に選挙勝利につなげるかという難問を突きつけました。電話調査や雑誌予想では一定の支持が示されながらも、実戦では議席を確保できなかった。その要因を分析し、次の選挙で同じ轍を踏まないために、地域組織の構築、幅広い有権者層へのメッセージ浸透、比例代表制導入などの制度改革が今後の論点となるでしょう。
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