聴衆40人…第一声の閑古鳥は惨敗の予兆だった? 「0議席」石丸新党、再生の道険しく
2025/06/23 (月曜日)
「都知事選はやっているうちに、どんどんボルテージが上がっていった。それに比べると今回は最初からテンションが高かった」
都議選で議席が獲得できず敗色濃厚となった22日夜、記者会見に臨んだ石丸氏は選挙戦をこう振り返った。しかし、13日の第一声の場は「高いテンション」とは程遠い静けさに包まれていた。
石丸氏が「第一声」の場として選んだのは東京都千代田区のオフィス街。「かつて勤めた銀行の本店が近いこと
都議会議員選挙で議席獲得がかなわず敗色濃厚となった6月22日夜、地域政党「再生の道」代表の石丸伸二氏は記者会見で「都知事選はやっているうちに、どんどんボルテージが上がっていった。それに比べると今回は最初からテンションが高かった」と振り返りました。しかし、告示直後の6月13日に行われた第一声の場は、石丸氏の言葉とは裏腹にひっそりとした雰囲気に包まれていました。(出典:産経新聞2025年6月23日):contentReference[oaicite:0]{index=0}
石丸氏が率いる地域政党「再生の道」は、都議選に42人の候補を擁立。党として初めて都議会への進出を目指しましたが、世田谷・杉並・練馬など主要選挙区で奮闘むなしく、全員落選に終わりました。告示直後の支持率調査では「勢いがある」と評されたものの、結果は厳しいものとなり、「目標達成」の言葉とは裏腹に無念の結果となりました。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
石丸氏は昨夏の東京都知事選で、現職の小池百合子知事に次ぐ24.3%、約165万8,000票を獲得し次点に食い込む健闘を見せました。この躍進は「新たな改革勢力」の台頭として注目を集め、国政進出を示唆するほどの評価を得ましたが、その勢いを今回の都議選につなぐことはできませんでした。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
2025年6月22日に行われた東京都議選では、自民・公明の知事与党3党が過半数を維持し、立憲民主や都民ファーストが一定の議席を確保しました。小党・新党にとっては小選挙区制が高い壁となり、比例代表のない都議選では支持率4%前後では議席獲得に至りません。れいわ新選組や参政党も苦戦し、新興勢力が議席を確保するのは依然困難な状況です。
13日の第一声を行ったのは、千代田区丸の内のオフィス街。石丸氏は「かつて勤めた銀行の本店が近いこと」を理由にこの場所を選びました。しかし、平日の午前中でも聴衆は数人にとどまり、華やかな都知事選とは対照的な静けさが印象的でした。街宣車の音も響かず、演説を聞いて足を止める人の姿はほとんど見られませんでした。
日本の選挙において「第一声」は、候補者が公然と選挙戦を宣言する重要な儀式です。1997年に都議会初の女性議員が登場した際には、人だかりができた竹下通りでの第一声が伝説となりました。2017年の都議選では、都民ファーストの会が小池旋風を巻き起こし、第一声から多くの支持者が詰めかけましたが、小選挙区の壁を越えるには相当の組織力が必要であることを改めて示しました。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
都議選はすべて小選挙区制で実施されるため、一定の支持層が分散すると議席獲得には至りません。1990年代の新党ブームや2005年の郵政選挙での小泉旋風のように、一過性の支持だけでは地盤が固まらず、候補者個人への票集めも組織票には敵わない現実があります。石丸氏の挑戦も、得票力と組織力の乖離を如実に示す結果となりました。
敗戦後、石丸氏は「今日が新しいスタートです」と前を向きました。今後は、千代田区のような象徴的な場所ではなく、地域コミュニティに根ざした地元選挙区での grassroots(草の根)活動が求められます。都議選の制約を理解し、組織票をつかむためには、後援会づくりや地道な戸別訪問、デジタル活用による若年層の支持取り込みが不可欠です。
石丸氏の都議選挑戦は、高揚から静寂へのギャップを浮き彫りにしました。改革を訴える小党が議席を獲得するには、メディア露出だけでなく、選挙制度の特性を踏まえた戦略と組織基盤の強化が必要です。次の国政選挙や2029年都議選に向け、今回の教訓を反省材料とし、Grassrootsからの支持拡大を図ることで、新たな動きをつくり出す可能性があるでしょう。
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