参院選で注目の「農業票」自民は離反に警戒 「1人区」と重なる米どころ 勝敗にも直結

参院選で注目の「農業票」自民は離反に警戒 「1人区」と重なる米どころ 勝敗にも直結

2025/07/04 (金曜日)

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参院選2日目の4日に石破茂首相(自民総裁)が訪れたのは、緑豊かな福島県白河市だった。

「良いコメを安いコストで作る努力が報われる対策をやっていく」。首相は同市の「JA夢みなみ」の農産物直売所で開いた意見交換会で、集まったJA組合員らにこう力説した。

JAグループの組合員は全国で1千万人を超え、各都道府県に組織網を持つ。昭和50年代は参院選で100万票以上を集めた。近年は農業人口減少の影響がある

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白河市・JA夢みなみ意見交換会での首相発言と農政の展望

参院選2日目の7月4日、石破茂首相(自民党総裁)は福島県白河市を訪れ、JA夢みなみの農産物直売所に集まったJA組合員らと意見交換。「良いコメを安いコストで作る努力が報われる対策をやっていく」と力説し、農家支援策の強化を約束しました。

1.白河市とJA夢みなみの概要

  • 地理・気候:東北地方南部の盆地気候で、コメ・野菜作りが盛ん
  • JA夢みなみ:福島県南部5市町村をカバーし、生産者数約2,000人、販路は直売所・インターネット等
  • 組合員動向:全国JA組合員1,000万人超のうち、中山間地農家の減少が続く

2.首相発言のポイントと政策的背景

  • 「良いコメを安いコストで」:低コスト生産支援(機械化・省力化補助、燃料・肥料価格抑制)
  • 輸出促進策:ブランド米認証制度の簡素化、農産物ODA活用による海外販路拡大
  • 所得安定:コメ価格の最低保証制度(コメ先物・価格差補てん制度)再構築

3.JAの政治力と参院選の歴史

昭和50年代、JA票は参院選で100万票超を投じる巨大ブロック票源でした。1990年代以降の農政改革や人口減少で影響力はやや後退したものの、地方選でも依然大きな存在感を保持しています。

4.国内外の似た政策事例

  • 韓国:スマートファーミング補助金で農家の省力化を推進
  • フランス:小規模農家向けの最低価格保証制度(制限的共通農業政策〈CAP〉)
  • アメリカ:農業保険と価格支持プログラムの組み合わせによる所得安定化

5.福島農業の復興と課題

  • 震災後の放射能対策と検査体制の強化
  • 人手不足・高齢化への対応:Iターン人材の受け入れ、加工・6次化による付加価値向上
  • ブランド力向上:「福島コメ」の安全・品質訴求と国内外PR

6.今後の展望と提言

  1. 政策の一貫性確保:農地改革、所得補てん、輸出戦略の連動
  2. デジタル化推進:スマート農業・ドローン散布などの導入支援
  3. 地域連携:JA・自治体・大学共同の実証実験と人材育成拠点整備
  4. 消費者教育:食育と地産地消プロモーションで国産コメ需要を喚起

まとめ

首相が白河市で示した「良いコメを安いコストで作る努力が報われる対策」は、農家の所得安定と地域活力の回復を両立させる重要なメッセージです。JA票を背景に、参院選でも農政が大きな争点となるでしょう。福島農業の震災復興経験を全国に展開するとともに、国際的な食料安全保障やスマート農業の推進で、日本の農業競争力を強化することが急務です。政策立案には、現場の声を踏まえた一貫した制度設計と、他国事例を参考にした革新的施策の導入が求められます。

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