尖閣周辺に中国海警局船、211日連続 海保巡視船が確認
2025/06/17 (火曜日)
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海外側にある接続水域で17日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは211日連続。
2025年6月17日、沖縄県石垣市・尖閣諸島の領海外側接続水域で、中国海警局所属の公船「海警2301」「海警2204」「海警2501」「海警2305」の4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認しました。尖閣周辺での中国公船確認は本日で連続211日目となり、長期にわたる海域での緊張状態が続いています。
第十一管区海上保安本部によると、巡視船は6月17日午前9時ごろ、尖閣諸島魚釣島の北約10海里(約18km)の接続水域で4隻を確認。公船は領海に侵入しないものの、同水域をゆっくりと周回航行しており、巡視船は警告無線の送信と監視活動を実施しました。領海外側の接続水域に留まる行為は国際海洋法上認められるものの、領海を取り巻く安全保障環境への影響が懸念されています:contentReference[oaicite:0]{index=0}。
接続水域は、領海の外側12海里からさらに12海里までの範囲で、海岸国が違法漁業や税関・衛生・移民法規違反の取り締まり権を行使できる海域です(国連海洋法条約第33条)。他国公船の航行自体は原則自由ですが、海岸国は「管轄権」を行使しうるため、巡視活動や警告が認められます。尖閣諸島を実効支配する日本は、接続水域内での監視を強めています。
尖閣周辺での中国公船確認が200日を超えるのは異例の長期間にわたり、これまでの最長記録は2020年4~6月の65日連続でした。今回の211日連続確認は過去最長を大幅に上回り、地域情勢の硬直化を象徴しています。中国側は「領有権を主張する海警の正当な航行」と説明し、一方の日本側は「領海侵入を防ぎつつ、法的手続きを遵守した監視活動を継続する」とコメントしています:contentReference[oaicite:1]{index=1}。
尖閣諸島(中国名・釣魚島)は1895年に日本が「無主地先占」の原則で編入し、1971年に沖縄返還と同時に沖縄県に編入されました。しかし、中国(中華人民共和国)および台湾(中華民国)は領有権を主張し、1970年代以降、公船や漁船の接続水域・領海接近を繰り返しています。この紛争は東シナ海の海底資源や漁業権を巡る資源問題とも深く結びついています:contentReference[oaicite:2]{index=2}。
米国政府は日米安全保障条約の適用範囲を確認しつつ「紛争の平和的解決」を支持。台湾やフィリピンなど近隣諸国も同様の領有権・航行の自由を重視する声明を出しています。一方、中国は「不法な挑発ではなく正当な公船活動」と強調し、米中の海洋安全保障競争の一端と位置づける動きもあります。いかなる軍事衝突も避けるため、関係国間の対話と危機管理メカニズム構築が急務です:contentReference[oaicite:3]{index=3}。
日本政府は、巡視船の増強や航空機による警戒飛行を続けるとともに、日米豪印(Quad)をはじめとする多国間安全保障協力を深化させる方針です。また、自衛隊の整備計画で離島防衛能力を強化し、常時監視や即応体制構築を進めています。地域の安定には、日本だけでなく関係国全体での協調が欠かせません。
尖閣周辺の接続水域での中国公船確認が211日連続に達したことは、東シナ海を巡る安全保障リスクが長期化していることを示しています。領有権や航行の自由を巡る緊張をエスカレートさせないためには、国際法に基づく適切な監視と、地域諸国との対話・協力が不可欠です。
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