不登校家庭に10万円 保険開発の訳
2025/06/11 (水曜日)
「不登校家庭に10万円」損保ジャパンが業界初の保険をつくった理由とは? 受給条件、使い道を担当者に聞く
2025年6月11日、農林水産省は政府備蓄米2021年産10万トンと、5月末までに中小スーパー向けに申請受付を始めた同年産米約2万トンを合わせた計12万トンについて、随意契約方式での売り渡し申請受付を開始しました。申し込み上限を設けず、大手小売業者だけでなく地域の米穀店も対象とする点が特徴です。契約は8月末までに消費者に販売できる範囲なら再申請も可能で、売り渡し後に余剰がある場合は2020年産米の追加放出も検討されます【出典:日本.com】。
政府備蓄米制度は1970年代にコメの安定供給・価格安定を目的に創設されました。米価の変動や凶作時の需給ひっ迫を緩和する「セーフティネット」として、常時一定量を備蓄し、緊急時に放出する仕組みです。2000年代以降はコメ余剰が続いたため放出量が増加し、近年は市場価格とのバランス調整が課題となっています。
2021年産は需要減少と天候不順により生産量がやや上振れした世代で、長期保存の可能な低温長期貯蔵米として選別されており、品質面で市場での評価が高いのが特徴です。政府はこれを活用し、新米シーズン到来前の時期に供給を増やすことで、消費者のコメ購入機会を早期に確保し、家計への負担軽減を図る狙いです。
通常の公開入札と異なり、随意契約は行政があらかじめ選定した業者と個別に契約を結ぶ方式です。今回は「スピード感」を重視し、厳格な落札制限や価格競争に時間をかけず、幅広い小売業者が一斉に申し込める形を採用。これにより店頭への迅速な米供給を実現し、消費者への販売機会を逃さないことが期待されます。
対象は精米能力のある米穀店やコンビニ、中小スーパー、大手チェーンなど。申請はオンラインシステムを通じて随時受け付け、販売見込み量や販売計画の提出が必要です。契約条件として「新米が流通する前の8月末までに消費者に販売すること」が定められ、履行状況の報告が求められます。
2021年産備蓄米の市場想定価格は5kg当たり約1,800円前後とされ、当時の価格より10~15%安価に設定される見込みです。これにより小売店は値下げやキャンペーン販売を行いやすくなり、消費者の購入意欲を刺激すると同時に、過剰在庫の解消にも寄与します。一方で新米価格との競合が生じるため、需給調整が課題となります。
2020年産米の初放出は2024年末で、当時は公開入札での売り渡しに注力し、公共施設や学校給食事業者が中心でした。今回は随意契約で小売店への直接供給を拡大した点で異例と言えます。過去には2019年の天候不順時にも臨時放出が行われましたが、その際は価格調整のみを目的としており、販売経路の拡大は今回が初の試みです。
米国や欧州では食糧備蓄は政府や州が管理し、民間流通に直接放出するケースは限定的です。米国農務省(USDA)の戦略備蓄は主に大規模緊急援助用に充当され、民間市場への直接販売は行われません。日本のように小売店に対し随意契約で価格安価な備蓄米を放出する方式は独自性が高いと言えます。
随意契約による大量放出は迅速性を実現しますが、販売実績の監視や販売期限の遵守確認が必要です。また、新米シーズン到来後に余剰が発生した場合の二次流通ルートや在庫管理コストも検討課題です。20年産米放出への着手や、将来の備蓄米品質保持策(長期低温保管施設の整備など)を踏まえた総合的な供給計画の構築が求められるでしょう。
今回の随意契約方式による2021年産備蓄米計12万トンの売り渡しは、コメ市場の需給バランス安定と消費者価格低減を狙った異例の施策です。歴史的に価格調整が中心だった備蓄米放出から一歩進め、小売店への直接供給を拡大した点に注目が集まります。今後は販売状況の検証と併せ、国内外の備蓄運用における新たなモデルケースとして動向を見守る必要があります。
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