6月の風物詩 大河クランクイン

6月の風物詩 大河クランクイン

2025/06/07 (土曜日)

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木俣冬フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人6/7(土) 8:59大河ドラマ「豊臣兄弟!」主人公・小一郎(豊臣秀長)役の仲野太賀(左)、秀長の兄・藤吉郎(豊臣秀吉)役の池松壮亮 写真提供:NHK6月5日(木)、来年度の大河ドラマ「豊臣兄弟!」の収録がスタートした。

豊臣秀吉の弟・秀長を主人公に、戦国乱世を舞台に、熱い兄弟が夢と希望を胸に突っ走る、奇跡の下克上サクセスストーリー。

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はじめに

2026年放送予定のNHK大河ドラマ第65作『豊臣兄弟!』が、2025年6月5日に山形県寒河江市の瑞宝山本山慈恩寺でクランクインしました。本作は、天下人・豊臣秀吉の弟として知られる豊臣秀長(小一郎)を主人公に据え、戦国乱世の下剋上サクセスストーリーを“兄弟愛”の視点から描く意欲作です。主演の仲野太賀(小一郎役)と池松壮亮(藤吉郎=豊臣秀吉役)が、初の“兄弟タッグ”を組み、新たな大河ドラマ像を切り拓きます。

『豊臣兄弟!』の概要

タイトルの『豊臣兄弟!』には、“兄・藤吉郎が突き進む天下統一への夢”と“弟・秀長が支える心の絆”という二元的なテーマが込められています。脚本は数々の時代劇や人間ドラマを手がける八津弘幸氏。物語は、小一郎(秀長)が少年期から青年期へと成長する過程と、行方不明だった兄・藤吉郎が突然帰郷して侍への道を誘うクライマックス的シーンから幕を開けます。放送は2026年1月から12月まで、全50回の大長編となる予定です。

歴史的背景:豊臣秀長と秀吉の兄弟関係

豊臣秀長(1552–1591)は、豊臣秀吉(1537–1598)の異母弟として出生。尾張国中村(現・名古屋市中村区)で生まれ、幼少期は生き別れ同然の時期もありましたが、後に秀吉の配下として才覚を発揮しました。特に越前府中(現・福井県越前市)や播磨国(現・兵庫県)での統治経験を通じ、行政手腕を発揮し“関白中納言”として秀吉を補佐。兄弟の深い信頼関係は、戦国絵巻の中でも稀有な存在として語り継がれています。本作では、兄弟の出会いと絆の深化を史実に基づきつつ、ドラマチックに再構成します。

NHK大河ドラマとしての特色

NHK大河ドラマは1963年の『花の生涯』以来、国内最高峰の歴史ドラマ枠として定着してきました。過去には兄弟を主題とした作品も少なくなく、1976年の『風と雲と虹と』では源義家と兄弟が、1990年の『翔ぶが如く』では西郷隆盛と弟・精忠との対比が描かれています。『豊臣兄弟!』は、兄弟愛を軸にしながらも、下克上の観点から戦国の権力構造を見つめ直す点で新機軸と言えるでしょう。

キャスト・スタッフ

  • 豊臣秀長(小一郎):仲野太賀(初の大河主演)
  • 豊臣秀吉(藤吉郎):池松壮亮(NHK大河初出演)
  • 脚本:八津弘幸(数々の時代劇で高評価)
  • 制作統括:松川博敬
  • 演出:渡邊良雄(『麒麟がくる』演出担当)

他の“兄弟”大河ドラマとの比較

兄弟の絆を主題とした大河ドラマは過去にも制作されてきましたが、『豊臣兄弟!』は戦国下剋上を背景に“異母兄弟”の対比と補完関係をクローズアップする点が特徴です。源平合戦を描いた『義仲紀』や幕末を舞台にした『龍馬伝』などでは、主に父子や師弟関係が焦点となっていた一方で、本作は“兄弟が主人公”という珍しい切り口で、家族愛と権力闘争を同時に描き出します。

ロケ地と撮影体制

初回収録は山形県寒河江市の瑞宝山本山慈恩寺で行われ、ふたりが父の墓前で対面する重要シーンが撮影されました。今後は愛知・岐阜・福井など豊臣家ゆかりの地を中心に、日本全国の城塞や戦場跡地で大規模ロケが予定されています。撮影期間は約1年半にわたり、季節感あふれる四季折々の風景が大河ならではのスケール感を支えます。

期待される視聴ポイント

  • 異母兄弟ならではの確執と信頼関係の描写
  • 下剋上のリアリズムと大河ドラマ伝統の歴史解釈
  • 主演・仲野太賀&池松壮亮の化学反応
  • 八津弘幸脚本が紡ぐ人間ドラマの深さ
  • 全国ロケによる圧巻の映像美

まとめ

『豊臣兄弟!』は、豊臣秀長と秀吉という歴史上の名コンビを弟の視点から描き直す野心作です。大河ドラマ65作目という節目にあたり、時代考証を重視しつつ現代的なドラマツルギーを融合。兄弟愛と下克上サクセスストーリーが融合する新しい大河ドラマの形を提示することで、戦国ファンのみならず幅広い視聴者層に刺さる作品となるでしょう。2026年1月の放送開始に向けて、これからの続報にも注目です。

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