全仏OP決勝 史上最長の5時間29分
2025/06/09 (月曜日)
アルカラス 大逆転勝ちで全仏OP2連覇、決勝史上最長5時間29分の死闘で世界1位シナー撃破し四大大会5度目V<男子テニス>
2025年6月8日、パリ・ローランギャロスのフィリップ・シャトリエ・コートで行われた男子シングルス決勝で、カルロス・アルカラス(スペイン)がヤニック・シナー(イタリア)に4–6, 6–7(4–7), 6–4, 7–6(7–3), 7–6(10–2)で逆転勝利を収め、全仏オープン2連覇を達成した。試合時間は5時間29分に及び、ローランギャロス決勝としては史上最長を記録した。アルカラスは第4セットで3本のマッチポイントをしのぎ、自身初のグランドスラム決勝での2セットダウンからの逆転勝利を飾った :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
今回の決勝はオープン化以降のローランギャロス史上最長の決勝戦となり、総時間5時間29分は2012年の全豪オープン決勝(ナダル対マレー)の5時間53分に次ぐ、グランドスラム決勝史上2番目の長さとなった :contentReference[oaicite:1]{index=1}。また、5度目のメジャー優勝は22歳1カ月で達成しており、同じく22歳1カ月で5度目のメジャーを制したラファエル・ナダルと同年齢で並んだことも大きな話題となっている :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
2003年5月生まれのアルカラスは2018年にプロ転向し、2022年9月に男子シングルス世界1位に初登場。これまでに全豪オープン(2022)、ウィンブルドン(2023, 2024)、USオープン(2022)と四大大会4勝を積み重ね、今大会制覇で通算5度目のメジャータイトルを獲得した。全仏オープン2連覇はグスタボ・クエルテン(2000–01)以来24年ぶり2人目の快挙である :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
アルカラスとシナーはこれまで12度対戦し、今回でアルカラスが8勝4敗とリードを広げた。シナーは今大会までグランドスラムで1セットも落とさない圧倒的な強さを誇り、決勝では前半2セットを奪取し3度のマッチポイントを握るなど、世界1位にふさわしいパフォーマンスを見せたが、アルカラスの執念と多彩なショットに屈した :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
オープン化以降、グランドスラム決勝で2セットダウンから逆転優勝した例はガストン・ガウディオ(2004年全仏)とノバク・ジョコビッチ(2019年ウィンブルドン)の2例のみで、アルカラスは史上3人目に名を連ねた。また、決勝戦でチャンピオンシップポイントをしのいだ上での制覇は、ガウディオ以来21年ぶりの快挙となった :contentReference[oaicite:5]{index=5}。
アルカラスは2024年に全仏初優勝を飾った際、第3セットタイブレークでフェデラーとの死闘を制した経験を活かし、クレーコート特有のロングラリーでも安定感を発揮。今年もタッチショットやバックハンドスライスを駆使し、全試合での堅実な試合運びが評価された。
アルカラスは全仏連覇を果たし、暫定世界1位への返り咲きが確実視される。次戦はウィンブルドン(7月1日開幕)でのグラスコート初挑戦となる見込みで、クレー巧者としての転戦も注目される。一方のシナーもデフェンディング・オーストラリアンオープン王者として復活を誓い、世界1位維持に向けて夏のハードコートシリーズを戦う。
この決勝は「史上最もドラマティックなグランドスラム決勝」の一つとして語り継がれるだろう。アルカラスの若き才能とシナーの成長が融合した熱戦は、次世代テニス黄金時代の幕開けを告げる象徴的な一戦となった。
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