4歳が行方不明 母親は涙止まらず
2025/06/24 (火曜日)
祖父母宅の窓から外に出たか 行方不明の4歳男児 探す母親「無事に帰ってきてほしい」旭川市
2025年6月23日午前7時過ぎ、北海道旭川市内の祖父母宅で4歳の男児が行方不明となりました。男児は祖父母宅の2階、居間の窓から外に出たものとみられ、同日明け方から警察・消防が約70人態勢で捜索を続けています。近隣の防犯カメラには、おむつ姿の裸足で走り去る男児の姿も映っており、母親は「無事に帰ってきてほしい」と強い思いを語っています。【出典】HBC北海道放送
捜索は主に男児宅周辺から半径1.5キロに渡って行われています。河川敷では男児が身につけていたとみられるおむつが発見され、石狩川流域への転落も懸念されています。警察は河川敷のほか公園や住宅街、道路脇の草むらなどまで範囲を拡大。ドローンや警察犬も投入し、夜間も懸命な捜索が続行中です。【出典】STVニュース北海道
男児の母親は現場で「午前7時半ごろ寝室を見たらいなかった」「水に興味があって行ってしまうのではと不安」と語り、捜索隊とともに必死の呼びかけを続けています。近隣住民も庭先や倉庫周辺を探すとともに、SNS上で目撃情報を呼びかけるなど地域ぐるみの協力体制が広がっています。
過去には、北海道内で祖父母宅から逃走し行方不明となった幼児が、河川敷で保護されたケースが報告されています。また都市部でも、窓やドアの施錠が不十分で幼児が外出し、交通事故や熱中症のリスクにさらされた事例があり、全国的に幼児の窓・戸締り対策が課題となっています。
児童心理学の専門家は「好奇心旺盛な年齢の子どもは、周囲への興味から自宅外に一人で出てしまうことがある」と警鐘を鳴らします。家屋の窓にはチャイルドロックを設置する、外出防止用の補助錠を活用する、家族間で起床・就寝時の見回りを徹底するなどの物理的対策が有効とされています。
旭川市では過去10年以内に乳幼児の行方不明報告が数件あり、市役所子ども政策課では防犯教室や「子ども110番の家」制度を展開してきました。今年度からは、自治会単位での見守り隊発足補助金を創設し、高齢者や子育て家庭が安心して暮らせる地域づくりを推進しています。
北海道は冬季の積雪による低体温症リスクが高い一方、夏季には30℃を超える猛暑日も増え、熱中症の危険があります。今回の捜索は梅雨前線の影響で雨天が続いたため視界不良や増水リスクが重なり、捜索難易度が一段と高まっています。
日本では1990年代以降、児童の行方不明対策として「防犯ブザー」「GPS付き携帯電話」などの技術的ツールが普及。2004年には「迷子防止条例」が一部自治体で施行され、2011年の東日本大震災以降は災害時の児童行方不明対応マニュアルが整備されました。しかし家庭内での窓・戸管理の厳格化は後手に回るケースが多く、今回の事案でも課題が浮き彫りとなっています。
迅速な発見に向け、今後は行方不明情報の自動配信システム(AMBER ALERT Japan)の活用、地域住民への緊急通報訓練の実施などが求められます。また学校・保育園と連携した「子ども見守りネットワーク」の構築や、IoT技術を活用したリアルタイム位置情報共有サービスの導入検討も急務です。
旭川市での行方不明事件は、幼児の安全確保における家庭内対策と地域協力の重要性を改めて示しました。一刻も早い発見と再発防止には、物理的施錠の徹底、地域ぐるみの見守り体制の強化、行政・民間の連携による技術導入が鍵となります。被害の未然防止に向けた取り組みを全国に波及させることが、今後の大きな課題です。
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