ダンプで上司殺害 男に懲役23年
2025/06/12 (木曜日)
【速報】大型ダンプカーで上司をひき殺す 男に懲役23年の判決 福岡地裁小倉支部
2025年6月12日、福岡地裁小倉支部は、北九州市の採石場で昨年10月に上司を大型ダンプカーでひき殺し、同僚2人への殺人未遂も行ったとして起訴された高橋博行被告(62)に対し、懲役23年の判決を言い渡しました。検察は「過去に類を見ない危険で悪質な犯行」として懲役28年を求刑していましたが、裁判所はこれを一部認めつつも情状を考慮し、懲役23年を選択しました。
事件は2024年10月、北九州市小倉南区の採石場で発生しました。高橋被告は勤務中、上司の山崎雄二さん(当時51)を大型ダンプカーで故意に轢き、即死させました。また同現場では、別の同僚作業員2人にも果敢に突進し、殺害しようとしたとされています。
高橋被告は「殺人および殺人未遂」の罪で起訴され、裁判員裁判が進められました。初公判(2025年6月2日)では、検察側が「上司に退職を迫られると思い込んで怒りに駆られた」と動機を断定。一方、弁護側は「動機は突発的で、計画性はない」と主張し、情状酌量を求める構えを示しました。
6月4日の被告人質問で、高橋被告は当時の心境を次のように振り返りました。「頭に血が上ってかっとなり、そのままアクセルを踏み込みました。無線で『もうやめようや』と言われて我に返り、『大変なことをしてしまった』と気づいた」と述べ、深い後悔の念を示したといいます。
判決公判は6月12日に言い渡され、裁判長は以下の点を考慮したと説明しました:
これらを総合し、求刑の懲役28年より5年減じた懲役23年を選択しました。
検察は「高橋被告は上司から退職を迫られると誤解し、職を失う恐怖と怒りから犯行に至った」と指摘。一部報道では、長年の職場での不満やパワハラ被害を訴える声もあったと報じられています。
日本の刑法(第199条)では、故意の殺人には「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」が科されると定められています。地方裁判所で言い渡される有期懲役では、10年超15年以下が最も多いとされる中、今回の23年判決は極めて重い部類に入ります。
近年、車両を凶器とした殺人事件では、被害者の数や凶器の危険性により懲役20年以上、あるいは無期懲役となる事例もあります。本件でも大型ダンプカーという制御困難な重機を用いた点が大きく評価されました。
被告側は上告を検討すると伝えられており、上級審で量刑が論点となる可能性があります。専門家は、「感情的衝動と故意殺人の境界をどのように判断するか」が争点となりうると指摘しています。
福岡地裁小倉支部の懲役23年判決は、大型ダンプカーを凶器とした殺人事件の危険性を重く見たものと言えます。同時に、「職場の不満や誤解が暴力行為に結びつく危険性
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