車いすテニス小田凱人 全仏3連覇
2025/06/07 (土曜日)
小田凱人 国枝慎吾に続く史上2人目の全仏OP3連覇達成、四大大会5度目V<車いすテニス>
2025年6月7日、パリのローラン・ギャロスで開催された全仏オープン車いすテニス男子シングルス決勝において、世界ランキング1位の小田凱人(東海理化)が第2シードのアルフィー・ヒュウェット(英国)を6–4, 7–6(6)で下し、2013年から2016年まで4連覇を果たした国枝慎吾に次ぐ史上2人目の全仏3年連続優勝を達成。さらに四大大会通算では5度目のシングルス優勝となり、19歳にして車いすテニス界に新たな歴史を刻みました。
2023年全仏オープン制覇時に17歳33日でグランドスラム初優勝を飾り、オープン化以降最年少優勝記録を樹立。以降の4大大会でも安定した戦績を残し、2025年の全仏オープンでの3連覇は国枝慎吾に続く快挙となりました。
決勝の第1セットで小田は序盤に2度のブレークを奪いリードを築くも、中盤でヒュウェットに2度のブレークバックを許し、一時は追いつかれます。しかし第9ゲームで再度ブレークを奪い、続く第10ゲームをキープして6–4で先取。第2セットも小田が第3ゲームでブレークに成功し主導権を握りましたが、ヒュウェットに第10ゲームでブレークバックを許します。最終第12ゲームはタイブレークに突入し、小田が7–6(6)で制して2セットストレート勝ちを収めました。
全仏オープン車いすテニス男子シングルスでは、2007年から2010年まで4年連続優勝を果たした国枝慎吾が史上初の3連覇を超える4連覇を達成しています。その後、国枝は総計8度の全仏制覇を誇るレジェンド的存在です。小田は2023年から3連覇を達成し、史上2人目の快挙として車いすテニス界に新たな世代交代の息吹をもたらしました。
英国のアルフィー・ヒュウェットは世界ランク2位を長く維持し、全仏オープンでは自身も3度の優勝経験を持つ実力者。小田とは4大大会で何度も激突し、2025年決勝は両者にとって20度目の対戦となりました(小田の10勝9敗)。若手とベテランがしのぎを削る争いは、車いすテニス界随一のライバルマッチとして注目を集めています。
車いすテニスは1976年にアメリカで始まり、1988年ソウル・パラリンピックで正式種目化。グランドスラムでは2007年全仏オープンから男子シングルスが導入され、以降四大大会すべてに車いす部門が設置されました。ローラン・ギャロスではクレーコートの特性が障がいスポーツに合致し、専用コートや進行ルールの工夫によって競技レベルが急速に向上。近年はテレビ中継やデジタル配信を通じて知名度も高まっています。
選手 | 全仏OP | 全豪OP | ウィンブルドン | 全米OP | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
国枝慎吾 | 8 | 6 | 4 | 5 | 23 |
小田凱人 | 3 | 1 | 1 | 0 | 5 |
アルフィー・ヒュウェット | 3 | 2 | 2 | 3 | 10 |
決勝後、小田は「10連覇を目指したい」と宣言し、国枝慎吾を目標とせず、自らの記録を追求する意欲を示しました。19歳という若さで既に五輪金メダルと四大大会5度優勝を達成した小田は、今後もサーフェスや相手を問わず勝ち続けられるかが焦点となり、車いすテニス界のさらなる成長を牽引していく存在です。
小田凱人の全仏オープン3連覇は、国枝慎吾に続く偉業であり、車いすテニス史に新たな1ページを刻みました。若手とベテランによるライバル対決、グランドスラムでの優勝回数ランキング、競技の歴史的発展を振り返ることで、今回の快挙の重みが改めて浮き彫りになります。今後も小田がどのように頂点を守り続けるか、そして次世代の挑戦者がどのように追いかけるかが大きな注目点となるでしょう。
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