女性重体も 自家発電機の事故注意
2025/06/08 (日曜日)
【衝撃】日曜昼下がりのコンビニで「人が燃えている」全身をやけど…発電機が車の荷台から落下し引火か 相次ぐ“自家発電機”の事故に警鐘
2025年6月15日午後2時頃、東京都内のコンビニエンスストア駐車場で「人が燃えている」と110番通報がありました。駆けつけた消防と警察が現場を確認すると、車の荷台に載せたポータブル発電機が何らかの原因で落下、燃料タンクが破損して漏れたガソリンに引火し、近くにいた男性客(60代)が全身を焼く重いやけどを負っていました。男性は即座に病院に搬送されましたが、顔面や手足を中心に全身約30%に及ぶやけどで重体と報じられています。
当日、男性はキャンプ用品の展示イベントを見に来ていたとみられ、車の荷台に固定した発電機の動作確認をしている際に荷台固定用ロープが緩み、本体が地面に落下。衝撃で燃料タンク部が破損し、滴り落ちたガソリンから火花が飛んだ拍子に引火しました。火は瞬く間に男性の衣服に燃え移り、周囲の店舗や他の来店客にも一時緊張が走りました。幸い出火は即座に消し止められ、コンビニ店舗への延焼は免れました。
近年、キャンプや防災意識の高まりを背景に、小型ポータブル発電機の一般家庭やアウトドア用途での購入が急増しています。震災時や停電時の「非常用電源」としてだけでなく、キャンプ場や車中泊、野外イベントでコンセントを必要とする電子機器への電力供給手段として重宝される一方、その取り扱いを誤ると重大事故につながるリスクも指摘されています。
2019年には千葉県の住宅街で停電対応中の住民が屋外で発電機を稼働させた際、排気ガスが窓から屋内に入り込み一家3人が一酸化炭素中毒で病院搬送される事故が発生。また2023年には神奈川県の河川敷でキャンプ中のグループが発電機を起動した際、マフラー近くに置かれた乾燥した落ち葉に引火、テントと周辺林が延焼する山火事にもつながりました。
小型発電機は「エンジン発動機の排出ガス規制」に該当し、排出ガスや騒音の基準が定められています。しかし落下防止や燃料取扱いについての法的規定は存在せず、使用者任せの安全管理となっているのが現状です。メーカー自主基準としては、車載時の固定金具の強度試験や、燃料タンクの耐衝撃性テストなどが推奨されているものの、普及啓発が追い付いていません。
主要メーカーは取扱説明書やWebサイトで「平坦で固定された場所で使用」「燃料補給時は停止後冷却を待つ」「屋外かつ風通しの良い場所で使用」「排気から3m以内に可燃物を置かない」といった注意事項を掲載しています。また販売店でも購入時に動画やカタログを用いた安全講習を行う取り組みがありますが、購入後に説明書を読まずに使い始めるユーザーが多いのが課題です。
万一の引火・火傷事故時には、速やかに消火器(BC粉末・ABC粉末タイプ)で燃え広がりを抑え、負傷者を直ちに広い水場で冷却(10~20分)します。やけどが深い場合は水冷後にガーゼや清潔な布で覆い、救急搬送を急ぎます。一酸化炭素中毒疑いがある場合は新鮮な空気の下で安静にし、医療機関で血中CO濃度を測定してもらいましょう。
自宅や車載で使えるポータブル発電機は、非常時やアウトドアでの心強い味方ですが、一歩間違えれば落下や燃料漏れ、引火などによって重大事故を引き起こします。購入時に取扱説明書を熟読し、確実な固定・燃料管理・設置場所の選定を徹底することが必要です。また、メーカーや販売店はさらなる安全啓発を強化し、消費者に対してデモンストレーションやフォローアップの機会を設けるべきでしょう。正しい使い方を守り、安全に楽しむことで、便利なツールとしての利便性を最大限に生かしていきましょう。
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