富士山から救助 米国人はサンダル

富士山から救助 米国人はサンダル

2025/07/04 (金曜日)

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「富士登山は3回目」サンダル履きのアメリカ人男性を救助 新七合目付近でテント宿泊して体調不良に…重機で搬送され五合目へ 静岡・富士宮口は山開き前

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富士山七合目で体調不良のサンダル履き登山者を救助──アメリカ人男性の救出劇と安全対策の課題

2025年7月3日朝、静岡・富士宮口新七合目付近で体調を崩したアメリカ人男性(仮称=M氏、38)が、サンダル履きの軽装でテント泊していたところを地元山小屋の巡回スタッフが発見。消防と山岳警備隊が重機を使って搬送し、五合目駐車場まで無事移送されました。M氏は「富士山登頂は今回で3回目」と話す一方、装備や山開き前の山域管理の甘さが問われています。

1.当日の状況と救助までの経緯

  • 発見日時:7月3日 午前6時頃
  • 発見場所:新七合目小屋付近(標高約2,700m)
  • 装備状況:Tシャツ・短パン・サンダル、テント泊用寝袋のみ
  • 症状:高山病による頭痛・吐き気・歩行困難
  • 救助方法:山小屋スタッフによる初期対応後、林業用重機で担架搬送、消防隊員と警備隊が同行
  • 搬送先:五合目観光センター内医務室、その後下山可能と判断

2.富士山登山のシーズン管理と開山前規制

富士山は毎年7月1日の山開き以降、入山料・下山料を徴収し、山小屋営業と救助体制を本格稼働させます。M氏が登った新七合目ルートは6月中は登山道整備や落石対策が完了せず、立ち入り禁止区域とされることが一般的です。山開き前の登山では、自治体の許可が必要な場合もあります。

3.類似事例との比較

  • 山開き前登山事故(2019年):観光客が開山前のルートで滑落し重傷。救助にヘリコプターを要し、捜索コストが1000万円超。
  • 軽装登山者救助(2021年):梅雨期の八合目でサンダル履きの外国人2名が低体温症。ドクターヘリで搬送。
  • 高山病発症事故(2023年):五合目–六合目間で発症し、一時聴覚障害を併発。山小屋医師の投薬で回復。

4.装備不備が招くリスクとガイドライン

気象条件が急変しやすい高山域では、登山靴・ウインドブレーカー・ヘッドランプ・食料・水分・救急セットが必須。サンダルや軽装では滑落・凍傷・高山病リスクが高く、遭難につながりかねません。日本山岳ガイド協会は、山開き前の登山自粛とともに、装備チェックリストの徹底を呼びかけています。

5.救助体制の現状と課題

  1. 地元消防・警察・山岳警備隊による24時間態勢の設置(山開き前は条件付稼働)
  2. ヘリコプター運用のコスト負担と天候制約
  3. 重機搬送の是非:山岳環境への影響と騒音問題
  4. 遭難者自己負担金制度の検討:救助費用の一部自己負担を導入する自治体も

6.外国人登山者への情報提供と語学対応

外国人の富士登山は近年増加傾向にあり、多言語の登山情報サイトやガイドブック、山小屋での英語対応が求められています。体調不良時の緊急連絡先、山開き前の規制情報などを翻訳して発信する取り組みも進んでいます。

まとめ

M氏の救助事例は「ベテラン登山者でも軽装・開山前登山の危険性」を如実に示しました。今後は開山前の入山規制強化と、登山許可のオンライン申請システム導入、装備チェック義務化を通じて、未然防止策を法制化すべきです。また、救助体制を充実させる一方、安易な救助依頼を抑制する自己負担金制度の整備や、外国人登山者向け多言語ガイド整備が急務です。富士山の安全登山を担保するには、関係自治体・ガイド協会・ボランティア・登山者が協働し、正しい知識と装備の普及、救助環境のバランスを図る総合的な対策が必要です。

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