唐揚げ一つの給食 批判受け改善へ

唐揚げ一つの給食 批判受け改善へ

2025/06/12 (木曜日)

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主菜「唐揚げ一つ」の学校給食、相次ぐ批判で改善へ…市教委「相対的に小さく見えてしまった」

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はじめに

2025年6月、福岡市立小中学校の給食で「主菜が唐揚げ1個だけ」という献立がSNSで拡散し、保護者や地域住民から「少なすぎる」「育ち盛りの子どもに不安」という批判が相次ぎました。福岡市教育委員会は栄養基準を満たしていると説明しつつ、「器が大きいため相対的に小さく見えてしまった」と認め、今後の改善を表明しました。物価高騰が続く中、市民が安心して食育を受けられる給食づくりのあり方や、学校給食の歴史、栄養基準、他都市との比較、改善策などを多角的に解説します。

 

 

1.唐揚げ1個給食の事例

問題となったのは、2025年4月ある日の福岡市立〇〇小学校の給食で、主菜に鶏の唐揚げが1個のみ提供されたケースです。副菜には春キャベツの味噌汁、主食は麦ご飯、乳製品として牛乳が付いていましたが、写真がSNSに投稿されると「足りない」「子どもの成長に必要な量ではない」と瞬く間に拡散。

これを受け、福岡市教育委員会は「1個あたり約60グラムで、栄養所要量は満たしている」「昭和時代から続く定番メニューで物価高が直接影響したわけではない」と説明。しかし「器が大きいため小さく見える」「見た目の華やかさが欠ける」と認め、外部有識者を交えた検討会を設置し、給食の見た目改善を検討する方針を示しました 。

2.学校給食の歴史と栄養基準

日本の学校給食は戦後、栄養不足解消を目的に始まり、1947年の「牛乳給食」から発展。1954年に学校給食法が制定され、「1食あたり650~850kcal」と「主食・副菜・主菜・牛乳」のバランスが義務づけられました。1995年には「給食栄養価指針」が示され、成長期に必要なエネルギーとたんぱく質、カルシウム等の摂取量が細かく定められています。

今回の給食はカロリー620kcalで基準はクリアするものの、食事全体の彩りや満足感を生む「見た目」の要素までは規定されていません。子どもの食欲喚起には味だけでなく視覚的満足感も重要とされるため、専門家は「見た目の工夫が食育の一環」と指摘しています。

3.物価高の影響と他都市の事例比較

原材料費の高騰を背景に、全国的に給食費の見直しが進んでいます。東京都では2025年度から給食費を月額数百円値上げし、食材費補助を拡充。大阪市でも地元業者との連携で地産地消メニューを増やし、コスト抑制と栄養向上を同時に図っています。福岡市のように「定番メニューの継続」を重視する都市もあれば、季節野菜を活用した変化に富んだ献立で満足度を高める取り組みも見られます。

4.給食改善のための具体策

  • 主菜の量と見た目のバランス調整:器サイズの見直しや付け合わせを増やす
  • 食育教材の活用:子ども自身に献立作成を体験させ、興味喚起
  • 地域食材の活用:地元農家と連携し、旬の野菜を副菜に取り入れる
  • 給食評価システム:児童のアンケートや教員からのフィードバックを制度化
  • 予算配分の見直し:食材費の適切配分や調理コストの分析

福岡市は外部有識者からの意見を募り、二学期からの献立刷新を検討中です。

5.地域コミュニティと家庭の役割

学校給食は子どもと地域をつなぐ役割も担います。家庭と連携し、保護者が給食試食会に参加して意見交換する機会を増やすことで、家庭での食事改善と学校給食の相乗効果が期待できます。また、地域食材の提供やNPOによる食育イベントを通じ、地元産品の価値と食事の楽しさを伝える取り組みも有効です。

まとめ

「唐揚げ1個」の給食問題は、栄養基準だけでなく、子どもの食事体験全体をどう設計するかが問われる事例です。物価高が給食運営に与える影響は大きいものの、見た目や食育の視点も同様に重要。福岡市をはじめ全国の自治体は、給食費の適正化と献立内容の充実を両立させ、子どもたちが「おいしい」「楽しい」と感じられる給食環境を整備していく必要があります。

出典:ライブドアニュース

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