みそや日本酒などの加工用に備蓄米放出へ 小泉農水相が表明、8月中にも販売開始

みそや日本酒などの加工用に備蓄米放出へ 小泉農水相が表明、8月中にも販売開始

2025/07/04 (金曜日)

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米菓やみそ、酒などのコメ加工品の業界団体は1日、原料不足や価格高騰を理由に、小泉氏に対して備蓄米を放出するように要望書を提出していた。

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コメ加工品業界団体が備蓄米放出を政府に要望──原料不足と価格高騰の背景

2025年7月1日、米菓・みそ・酒などコメ加工品の主要業界団体は、小泉農林水産大臣宛てに「国内産米を原料とする各種加工品の生産維持が厳しい」として、国の備蓄米を市場に放出するよう要望書を提出しました。原材料となるコメの不足とそれに伴う価格高騰が深刻化しており、消費者価格にも転嫁される恐れがあるため、早急な対応が求められています。

1.要望書提出の経緯

業界団体は平年比でコメの国内収穫量が減少したこと、さらに輸入米の価格も上昇している現状を受けて要望書を提出。例年より農家支払い価格が20%超上昇し、原料調達コストが大幅に上がったことを指摘しています。昨夏の猛暑や長雨の影響で品質の良い米が減少したことも背景にあります。

2.コメ加工品市場の現状

●米菓業界:あられやせんべいの主原料は上質なうるち米。コスト高騰に伴い、一部メーカーが製品サイズや包装を縮小する事例が出ています。 ●みそ業界:大豆や塩だけでなくコメも副原料として使用。発酵品質を保つため高品質米が必要ですが、調達が難航。 ●酒造業界:日本酒や焼酎の醸造用米は品種指定が厳しく、代替が困難。出荷量調整や価格転嫁も検討中です。

3.政府備蓄米制度の仕組みと過去の放出例

政府備蓄米は、米価下落時の価格安定と食料安全保障を目的に毎年約10万トンを買い入れ、冷凍や低温倉庫で保管。過去には2010年のコメ価格高騰時に約3万トンが放出され、価格抑制や加工品原料の安定供給に寄与しました。

4.類似事例との比較

  • 2022年タイ米市場混乱:天候不順で輸出用タイ米不足。政府備蓄放出で緊急対応。
  • 2008年インドムンバイ米高騰:食品価格指数急上昇に対し、備蓄米を国内流通に供給。

5.要望の課題と今後の対応

備蓄米放出には、 (1) 食料安全保障との兼ね合い、 (2) 農家支援とのバランス、 (3) 市場価格への影響評価 の3点が課題です。業界団体は「一時的な放出だけでなく、将来に向けた米価安定策や加工品支援策の併用」を提案しています。

まとめ

コメ加工品業界団体の要望は、国民の食卓に欠かせない米加工品の安定供給を守る緊急提言です。政府は、備蓄米放出の時期・量を迅速に検討するとともに、中長期的な価格安定策や生産振興策を組み合わせた総合的な食料政策を策定する必要があります。農家・加工業者・消費者の三者が安心して供給と消費を続けられる体制構築が、食料自給率向上と地域農業の持続性にとって不可欠です。

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