香港 服役中の民主活動家を逮捕

香港 服役中の民主活動家を逮捕

2025/06/07 (土曜日)

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香港警察、民主活動家で服役中の黄之鋒氏を国安法違反容疑で逮捕・起訴…「雨傘運動」のリーダー


香港警察は6日、外国勢力と結託して国家の安全を危険にさらそうとしたなどとして、著名な民主活動家の黄之鋒氏(28)を国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕、起訴した。


 起訴状によると、黄氏は2020年、民主活動家の羅冠聡氏らと共に、香港政府や中国政府に対する制裁や敵対的行動を取るよう外国勢力に要請したなどとされる。

 黄氏は、香港の学生らによる14年の道路占拠運動(雨傘運動)のリーダーの一人。立法会(議会)選挙で過半数獲得を目指した民主派が、20年に実施した予備選を巡り、国安法違反(国家政権転覆)の罪で禁錮4年8か月の判決を受けて服役中だ。ロイター通信によると、27年1月に出所予定だった。このタイミングでの逮捕には、出所を認めない香港当局の思惑が働いているとみられる。

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要約

2025年6月6日、香港警察は国家安全維持法(国安法)違反容疑で著名な民主活動家・黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(28)を逮捕・起訴した。起訴状によれば、黄氏は2020年に羅冠聡(ネイサン・ロー)氏らと共に、香港政府や中国政府への制裁を外国勢力に要請し、国家の安全を危険にさらす「結託行為」を行ったとされる。黄氏は2014年の雨傘運動リーダーの一人で、2020年の立法会予備選をめぐる国家政権転覆容疑で既に禁錮4年8か月の実刑判決を受け服役中であり、2027年1月の出所予定を目前に控えたタイミングでの再逮捕に、香港当局の「出所阻止策」との見方が強まっている。

1. 雨傘運動から国安法施行までの歩み

黄之鋒氏は2002年生まれ、2012年に民主派学生グループ「学民思潮」を結成し、14年の雨傘運動では中心的指導者として占拠行動を主導。北京直轄化に抗議する若者の声を国際的に発信し、一躍“香港民主化のヒーロー”となった。しかし、16年以降は警察との衝突やスピーチの規制強化を受け逮捕・起訴を繰り返し、民主化運動は次第に弾圧下へ移行した。

2020年6月、中国政府は「国家安全維持法」を強行制定し、香港における「分裂・転覆・外国勢力との結託・テロ行為」を最高刑無期懲役まで罰する法制度を導入。これ以降、黄氏を含む民主派リーダーは次々と逮捕・起訴され、言論・集会の自由が大幅に制限された。

2. 2020年立法会予備選と「政権転覆」容疑の経緯

2020年7月、民主派は低投票率を補うため事前予備選を実施し、議席奪取を試みたが、中国政府はこれを「国家政権転覆の計画」とみなし、黄氏ら47人を一斉逮捕。21年4月には「政権転覆」容疑で起訴され、22年5月に最高禁錮4年8か月の実刑判決が確定。各国から「司法の独立が侵害された」と批判を浴びたが、香港当局は政治活動と外国勢力との関係を厳しく取り締まる姿勢を崩さなかった。

3. 今回の逮捕・起訴の内容

起訴状では、黄氏が2020年中に羅冠聡氏らと連携し、米国および欧州連合など外国政府に対し香港・中国政府への制裁実施を要請する文書を送付するなど「外国勢力との結託行為」を行ったとされる。具体的には、米国議会向けに提出した意見書や、ツイッター上での呼びかけが“犯罪行為”と位置づけられた。

法律専門家は「国安法第29条の解釈が非常に広範で、抗議やロビー活動にまで適用され得る」と指摘。香港政府は「法の下の平等と国家安全の保護は両立する」と主張するが、野党側は「平和的表現の自由が死滅する」と懸念を強めている。

4. 国際社会の反応と影響

欧米諸国や国連人権高等弁務官事務所は即座に非難声明を発出し、「香港の自治制度と国際金融都市としての信用が揺らぐ」と警告。米国は黄氏への渡航制限解除や制裁措置を検討しており、香港政府への輸出規制やビザ発給の見直しなどを含む追加制裁の可能性が取りざたされている。

一方、中国政府は「香港事務は内政問題」であり、「外国の不当な干渉を許さない」と強硬姿勢を示し、香港政府を支持。香港金融市場や不動産市場では外国資本の警戒感が強まり、一部企業が本社機能の移転を検討する動きも出始めている。

5. 香港民主運動の現状と展望

黄氏逮捕により、民主派の中心的リーダーは事実上排除され、残る若手・市民グループも大規模集会の開催が難しい状況に追い込まれている。オンラインでの情報発信も監視強化で抑制され、活動の隠れた形への移行が加速。行政長官選出や区議会選挙では親中派勢力が席巻し、次期選挙で民主派が候補者を擁立する見込みはほぼ消失した。

ただし、海外に亡命・移住した活動家や香港を舞台にした人権団体は、「香港モデル」を世界に発信し続けており、法の支配や人権保護の観点から国際的連携を模索している。専門家は「香港の自由は当局による強権と国外の圧力との綱引きで決まる」と分析し、今後も緊張状態が続くと予測している。

6. まとめ

黄之鋒氏の逮捕・起訴は、香港における言論・集会の自由が国安法の下で極めて限定的になりつつある現状を象徴する出来事である。国内では「治安安定」の名目で法運用を正当化する一方、国際的には「一国二制度」の解体とみなされ、香港の自治や国際金融都市としての地位を揺るがせる深刻な事態となっている。今後、香港の自由と安全のバランスをどう維持するかが、香港市民のみならず世界の注目を集める重要課題である。

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