中国で日本人2人殺害の疑い 拘束
2025/06/03 (火曜日)
中国東北部・遼寧省大連市で日本人2人が殺害され、地元当局が中国人の容疑者を拘束したことが分かりました。
中国東北部・遼寧省大連市で日本人2人が殺害され、地元当局が中国人の容疑者を拘束したことが分かりました。
日中関係筋によりますと、先月25日に、瀋陽にある日本総領事館に遼寧省の公安当局から、「大連市内で日本人が2人殺害された」という連絡がありました。
2人の被害者について、年齢などは明らかにされていませんが、1人は男性で、領事館関係者が死亡を確認し、遺族にも伝えたということです。
また、容疑者は中国人で、殺人の疑いですでに拘束され捜査を受けています。
事件の原因について当局は、「知人間のビジネス上のトラブルがあった」と説明していています。
日中関係筋は「個別のトラブルの可能性が高い」と話しています。
中国東北地方に位置する大連市は、明治時代以降、日中両国の交流拠点として重要な役割を果たしてきました。1871年(日清戦争前)、日本は大連郊外の森林資源を調査し、その後、日露戦争(1904~1905年)を経て、遼東半島南部が日本の勢力圏となりました。1905年のポーツマス条約により、大連は一時的にロシアから日本に委任統治され、鉄道・港湾整備が進展。これにより「大連市」は急速に近代化し、街並みには日本風の建築や道路網が整備されました。
日中戦後も、戦前から続く民間・企業間の経済的結びつきは途絶えませんでした。1980年代以降、中国の改革開放政策に呼応して、大連港をはじめとするインフラ投資に日本企業が積極的に参画。鉄鋼、造船、自動車部品などの製造業分野では、三菱重工業や日立製作所などが技術支援を行い、大連市内の工業団地や経済技術開発区(大連ハイテク広場など)の発展に寄与しました。
また、観光や文化面でも日本と大連の交流は盛んです。毎年、多くの日本人観光客が大連を訪れ、旧市街地の「大連百年記念館」や「星海公園」、ロシア租界時代の洋風建築群などを巡礼します。一方で、大連市内には日本語教育機関や日本料理店が多数あり、現地で働く日本人駐在員や留学生が増加。大連理工大学や大連外国語大学では日本語学科が人気を集めるなど、人材交流が活発化しています。
近年は、環日本海経済協力の一環として、大連と北九州や長崎などの日本の港湾都市との定期フェリー航路が開設され、貨物・旅客輸送が促進されました。これにより、食材や民芸品の相互交流が拡大し、地域間のビジネス機会が拡充。大連市は「日本市場との玄関口」として今後も日中両国の経済・文化交流を支える要衝であり続けるでしょう。
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