LUUP、「WeChat」から利用可能に 中国人観光客増で自転車のみ

LUUP、「WeChat」から利用可能に 中国人観光客増で自転車のみ

2025/06/10 (火曜日)

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経済 日本 中国 中国人ニュース

Luupは10日、14億人以上が使う中国テンセントの「WeChat(微信)」ミニアプリとして「LUUP」を追加した。WeChatからLUUPの利用が可能となり、WeChat Payで支払いが完結する。これにより、訪日中国人観光客がLUUPの電動アシスト自転車を利用しやすくする。

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はじめに

EVシェアサイクルを展開するLuup(本社:東京都港区)は、2025年6月10日、中国の大手SNSプラットフォーム「WeChat(微信)」上のミニアプリとして「LUUP」を公開しました。これにより、訪日中国人観光客はWeChatアプリ内でLUUPのバイクを呼び出し、画面操作のみでロック解除から乗車料金の支払いまで完結できるようになります。14億人以上のユーザーを抱えるWeChat上での導入は、インバウンド向けモビリティサービスの新たな一手として注目を集めています。

1.Luupとは何か

Luupは2019年にサービスを開始した日本発のマイクロモビリティプラットフォームです。主に電動アシスト自転車を東京・大阪・京都など都市部でシェアリング展開し、スマートフォンアプリから乗車可能地点を検索、予約、解錠し、乗り捨てるだけの簡単利用が特徴です。地域交通の「最初の1マイル・最後の1マイル」を担うラストワンマイル輸送手段として、公道走行が可能なモビリティサービスであり、観光需要や通勤・買い物利用まで幅広く支持されています。

2.WeChatミニアプリとは

WeChatミニアプリは、中国のIT大手テンセントが提供するWeChat(微信)内で起動する小型ウェブアプリのことです。インストール不要の即時起動性と、WeChat Payによる決済連携を組み合わせることで、EC、交通、ゲーム、行政手続きなど多彩な分野で利用が進んでいます。ミニアプリは中国国内で数百万規模が存在し、ユーザーはWeChatひとつで様々なサービスをシームレスに利用可能です。

3.訪日中国人観光客のモビリティニーズ

訪日中国人観光客は、年間約900万人(2024年実績)に上り、インバウンド消費の中心的存在となっています。観光地間の移動には鉄道やバスのほか、シェアサイクルの利用意向も高く、特に都市部の観光スポットでは観光ルートの「徒歩圏外」をカバーするラストワンマイル需要が増大しています。また、クレジットカードのほかWeChat PayやAlipayなど中国由来の電子決済に対応していないと利用を躊躇するケースも多く、現地SIMカード不要で利用できるWeChatミニアプリの導入は大きなメリットになります。

4.WeChat Payによるシームレス決済

今回のミニアプリ連携では、WeChat PayとLuupの決済システムをAPI連携し、QRコード読み取りだけで支払いが完了します。ユーザーはアプリ内残高や銀行口座、クレジットカードと紐付けることで、1回のスキャン操作でライド開始から終了までの料金を自動的に精算できます。これにより、日本の交通系ICカードや自動車シェアリングで必須となる現地プリペイド登録が不要となり、訪日前の事前準備の手間が大きく軽減されるのが特徴です。

5.導入の背景と狙い

Luupは2024年末から既に中国語配信のLP(ランディングページ)やMA(マーケティングオートメーション)を活用し、訪日中国人向けにプロモーションを展開していました。しかし、専用アプリのダウンロード率には限界があり、WeChat上で利用可能にすることで「アプリの壁」を超え、より広範なユーザー層にリーチすることを狙います。また、WeChatミニアプリは中国現地のマーケティング施策やO2O(オンライン to オフライン)連携で用いられるため、WeChat広告を活用した予約誘導や、WeChat公式アカウントでの顧客コミュニケーションなど、プロモーション面でも相乗効果が期待されます。

6.技術的スキームとセキュリティ

ミニアプリはWeChatのセキュアなプラットフォーム上で動作し、Tencentが提供するクラウドサービスを通じてLuupのバックエンドAPIと連携します。ユーザー認証はWeChat OpenIDで行い、決済トークンはWeChat Pay SDKが管理。データの暗号化やアクセス制御により、個人情報や決済情報の漏洩リスクを低減しています。Luupの車載IoTロックはミニアプリからのコマンドを受け、リアルタイムに施錠・解錠を行うため、網羅性あるセキュリティ監視体制と不正利用防止策を備えています。

7.他社サービスとの比較

日本の訪日外国人向けモビリティサービスとしては、UberやDiDiモビリティジャパン、ドコモ・バイクシェアなどがありますが、いずれも現地専用アプリのインストールや多言語対応、決済方法のハードルが残ります。Alipayミニプログラムに対応するサービスも増えていますがWeChatへの対応はまだ少数派です。今回の「LUUP」ミニアプリ連携は、WeChatユーザー基盤を直結活用できる点で差別化要素となります。

8.今後の展開と課題

  • サービスエリア拡大:訪日都市の拡充(京都、大阪、沖縄など)
  • 言語対応強化:ミニアプリUI/UXの多言語化(英語、韓国語、タイ語など)
  • プロモーション連動:WeChat広告・CRMを活用した訪日前キャンペーン
  • 自治体連携:観光協会や地方自治体との協定による割引特典施策
  • データ利活用:利用状況可視化による観光動線解析と地域交通政策へのフィードバック

一方で、利用者側の課題としては、WeChatミニアプリの操作に不慣れなシニア世代中国人や、公共交通混雑時のバイク利用マナー、駐輪ルール遵守の徹底などが挙げられます。Luupは現地サポート体制の強化や、利用ガイダンス動画の配信、多言語サポート窓口の充実で対応する予定です。

まとめ

WeChatミニアプリとしての「LUUP」導入は、訪日中国人観光客の利便性向上と、Luupのサービス領域拡大を同時に実現する一手です。越境ECで培われたO2O連携のノウハウを、モビリティ領域に応用し、14億人のWeChatユーザーに日本のラストワンマイル体験を提供します。今後のサービス成長と観光振興への貢献に期待が高まります。

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