夏ボーナス 企業3割「増加する」
2025/06/13 (金曜日)
夏のボーナス、企業の3割で「増加」 〜 平均支給額は前年比1.8万円増の45.7万円
帝国データバンクの2025年夏季賞与に関するアンケート調査によると、「支給額が増加する」と回答した企業は全体の33.7%にとどまりましたが、正社員1人当たりの平均支給額は前年比1.8万円増の45.7万円となりました。この結果は、2年連続の賃上げの流れの影響を受けつつも、物価高騰や企業規模の格差が足かせとなっている実態を示しています。
2025年6月6日~10日の期間に全国1,227社を対象に実施したインターネット調査では、賞与「増加」企業は33.7%(前年比▲5.8ポイント)、「変わらない」37.0%(+2.8ポイント)、「減少」12.0%(+0.7ポイント)でした。「賞与なし」の企業が13.0%(+2.7ポイント)に上った一方で、賞与支給企業の割合は82.7%と前年(85.0%)から2.3ポイント低下しています :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
正社員1人当たりの平均支給額は45.7万円(2024年43.9万円から1.8万円増)となり、支給帯域では「30万~50万円未満」が34.8%と最多を占めました :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
規模別に「増加する」と回答した割合をみると、大企業は38.4%(全体比+4.7ポイント)、中小企業33.0%、小規模企業27.0%でした。小規模企業は大企業より11.4ポイント低く、賃上げ余力の違いが鮮明です :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
こうした業績改善還元型と、人手不足・物価高対策型の二極的動機が混在しています :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
今年の春闘では主要企業が平均5.46%のベースアップを合意し、2年連続で5%超の賃上げを実現しました。〈労働組合連合会調査〉によれば、大企業が5.46%、中小企業も5.09%の賃上げを実施しており、賞与支給額にも波及効果が確認されています :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
参考として2024年の帝国データバンク調査では、賞与増加企業は39.5%で、平均支給額は不明ながら、支給額増加傾向が続いていました :contentReference[oaicite:5]{index=5}。この1年で「増加企業」が減少に転じた背景には、物価高や金融引き締めの重みがあります。
業種別では、製造業や商社・卸業で増加回答率が高く、サービス業や小売業では低め。特に対面接客を要する業種では物価高・人手不足のダブルパンチで増額余力が乏しいと見られます。
一方、家計調査では消費者物価指数が前年同月比で約3%上昇しており、エネルギー・食品価格の高騰が家計を直撃。平均支給額45.7万円の1.8万円増は実質的に物価上昇分を下回る水準であり、「実質賃金の伸び悩み」を指摘する声が根強くあります。
2025年夏季賞与は、賃上げトレンドの継続を背景に平均支給額が45.7万円まで伸びましたが、増加企業の割合は3割強にとどまり、企業規模や業種間の格差が鮮明です。物価高や金融引き締めの影響で実質賃金改善には限界があり、中小・小規模企業支援や非正規層への波及策が今後の課題となります。
出典:帝国データバンク「2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート」(2025年6月13日) :contentReference[oaicite:6]{index=6}、日本労働組合連合会(春闘2025賃上げ調査) :contentReference[oaicite:7]{index=7}
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