「富士スバルライン」で観光バスと乗用車が衝突 6人搬送

「富士スバルライン」で観光バスと乗用車が衝突 6人搬送

2025/06/12 (木曜日)

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国内 話題 パキスタン 事故ニュース

11日午前10時ごろ、富士山の5合目とふもとを結ぶ有料道路「富士スバルライン」で、「バスと乗用車の事故。けが人が複数いる」と目撃者から119番通報がありました。

 警察によりますと、観光バスと乗用車が衝突し、乗用車を運転していたパキスタン国籍の男性(23)が重傷を負いました。同乗していたアメリカ国籍の男女5人がけがをしていて、いずれも重傷とみられます。観光バスの乗客乗員にけが人はいませんでした。

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事故概要

2025年6月11日午前10時ごろ、富士山5合目と麓を結ぶ有料道路「富士スバルライン」(山梨県鳴沢村)で、観光バスと乗用車が正面衝突する事故が発生しました。目撃者の通報を受けた警察と消防が現場に急行。乗用車を運転していたパキスタン国籍の男性(23)と同乗していたアメリカ国籍の男女5人、計6人が病院に搬送され、いずれも重傷とみられています。観光バスの乗客乗員(計18人)は無傷でした。

事故発生箇所は標高約2,000メートルの片側1車線カーブで、当時は濃霧による視界不良が報告されており、乗用車がセンターラインを越えて進入した可能性があります。警察はドライブレコーダー映像や現場検証を基に原因を調査中です。

(出典:テレビ朝日「富士山に向かう『富士スバルライン』で乗用車と観光バス衝突 6人搬送」)

外国運転免許証切り替え(外免切替)と事故リスク

警察庁の楠芳伸長官は、富士スバルラインでの今回の事故を含め、外国人ドライバーによる交通事故が相次いでいることを受け、外国運転免許証から日本の免許証への切り替え制度(外免切替)についても適正運用と交通安全教育の強化を指示しました。外免切替を行ったドライバーには日本の交通ルール理解講習の受講が義務付けられていますが、講習内容の周知不足や言語バリアにより、山岳道路特有の運転リスクが十分に伝わっていないとの指摘があります。今回の乗用車運転手も外免切替後まもない可能性があり、視界不良のカーブで車線越えを招いた要因の一つとみられています。(出典:テレビ朝日「警察庁長官 外国人運転者への教育強化を指示」2025年6月11日)

“白タク”疑いと違法営業の実態

富士北麓地域では観光客を狙った無許可タクシー営業、いわゆる「白タク」行為が横行しており、ワゴン車を用いた客待ちや違法駐車も相次いでいます。4月には白ナンバー車で観光客を有償輸送したとして中国籍の運転手が現行犯逮捕される事案も発生しました。今回衝突を起こした乗用車についても、乗客から料金を得る営業行為が行われていた疑いがあり、警察はナンバープレートや運賃受領の有無などを確認することで「白タク」営業の実態解明を進めています。(出典:YBSニュース「富士山麓で“白タク”横行か 客待ちの違法駐車も相次ぐ」2025年4月22日)

富士スバルラインの特徴とリスク

富士スバルラインは全長約24.6km、標高差約1,500mを有する日本有数の高山有料道路です。片側1車線の舗装路が連続する急勾配と急カーブが多く、バス・乗用車だけでなく自転車ヒルクライム大会や観光客バスが頻繁に通行します。道幅が狭いため、対向車とのすれ違いは緊張を伴い、特に高所ゆえの急激な気象変化や霧、降雪・凍結などが事故リスクを高めています。

過去にもヒルクライム練習中の自転車と車両の死亡事故、観光バス同士の衝突など複数の重大事故が発生しており、健康状態や運転技術が十分でない外国人観光客や自転車利用者には特に高い注意が求められます。

天候・路面状況の影響

事故当日は午前から濃い霧が発生し、視界50m以下の区間が散在していました。富士スバルラインの運行情報によると、事故直前の10時20分から現場が通行止めとなっており、その後の復旧は翌12日午前3時と報告されています(出典:富士スバルライン運行状況)。

視界不良時の速度超過やカーブ侵入は国内外で繰り返し事故原因となっており、防霧灯や注意喚起標識、路面温度計測による凍結通知などのさらなる整備が求められています。

外国人観光客の増加とガイド体制

近年、訪日外国人観光客は年間3,000万人超に達し、そのうち欧米や中東からのリピーターも増加。彼らの多くはレンタカーやツアーバスで富士山五合目観光を楽しみますが、交通規則や道路状況、右側通行の慣れない運転環境に起因する事故が絶えません。

多言語対応の安全運転指導や、外国人専用の道路利用マナー講習、VRシミュレーターでの事前学習など、ガイド業やレンタカー会社による啓発活動強化が急務です。

緊急対応と医療体制

重傷者の搬送には救急ヘリや山岳救助隊が投入され、一部は地元病院のICUに収容されました。富士山周辺は救命救急センターが限られており、医療過疎地域の課題が浮き彫りとなっています。今後は、巡回医療体制やドクターヘリの常時待機など、山岳観光地特有の医療支援強化が検討されています。

過去の類似事例と安全対策の変遷

2018年4月にも同地点で観光バスとワゴン車が正面衝突し、18人が重軽傷を負う事故がありました(出典:トラサポジャーナル「富士スバルラインにて観光バス事故」)。当時、運転手の不適切な車線逸脱とスピード超過が問題視され、国土交通省から道路管理者への再発防止指導が行われましたが、根本的な路線改良や速度抑制策は限定的でした。

今後の道路安全強化策

  • センターラインを越えにくい「ミラーガードレール」や車線逸脱警報システムの設置
  • 濃霧区間への可変式速度制限表示と連動型速度取締装置の導入
  • 観光バス運行事業者への定期的な安全運転研修義務化
  • 外国人観光客向け多言語安全ガイドの配布とVR/AR講習の導入

これらの対策を包括的に進めることで、山岳道路に特有の交通リスクを低減し、安全・快適な観光環境を確立する必要があります。

結論

富士スバルラインのバス・乗用車衝突事故は、高所道路の持つ構造的リスクと、視界不良や運転者の慣れない環境によるヒューマンエラーが複合した結果です。ここに外国人観光客向けの外免切替制度の運用課題や、地域で横行する「白タク」営業の影響も絡み合い、安全対策の必要性が一層鮮明になりました。道路構造・交通規制・安全教育・医療体制に加え、外免切替講習の多言語化や「白タク」取り締まりの強化を含む四位一体の取り組みが急務といえます。

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